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【暴走免疫!原因不明の難病「IgG4関連疾患」】膵がんとの識別が重要な「自己免疫性膵炎」 (1/2ページ)

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 国内では予備軍も含めて糖尿病は約2000万人と推計されている。健康診断では空腹時血糖値110mg/dl未満が正常だが、生活習慣が乱れているとその値を少し超えるということがある。ところが、いきなり200mg/dl以上の数値に跳ね上がるようなことが免疫異常の病気で起こる。そのひとつが、現在、国内外で注目されている「IgG4関連疾患」だ。中高年男性に多い難病である。

 「IgG4関連疾患は、全身に病変が現れますが、中でも自己免疫性膵(すい)炎といって膵臓に病変が出る人が多いのです。その場合、正常値だった血糖値が急激に上がる、あるいは、糖尿病の治療を受けている人が急に悪くなることがあるのです」

 こう説明するのは、がん・感染症センター都立駒込病院消化器内科の神澤輝実副院長。2003年、世界で初めてIgG4と全身の病変との関連を明らかにし、国内外のIgG4関連疾患の研究を後押ししている。

 「IgG4」は、免疫グロブリンという血液中に多く存在する抗体の一種。抗体といえば、ウイルスなどを排除し、身を守るために重要な役割をしているが、IgG4の働きはまだよくわかっていない。自己免疫性膵炎では、IgG4の値が高くなり、炎症が起こって組織が変性し、膵臓が厚ぼったく腫大する。膵臓は、血糖値をコントロールするインスリンを作り出すため、膵臓の働きが阻害されると血糖値は上がる。だから、自己免疫性膵炎では、しばしば血糖値の上昇が見られるのだ。

 「炎症を抑えるステロイド剤には、副作用のひとつとして糖尿病があります。糖尿病の人がステロイド剤を使用すると、血糖値が悪くなりやすく注意が必要です。ところが、興味深いことに、糖尿病を合併した自己免疫性膵炎の人にステロイド剤を投与すると、症状が改善すると同時に血糖値も改善することが多いのです」

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