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【ベストセラー健康法】医者任せにするのは一番危険! 患者自身が医療の自己決定を (1/2ページ)

 「最近、血糖値が高いんだ」「健診で肝臓の値が引っかかってね」。世のお父さんたちが居酒屋で交わす会話のどこにも深刻さがない。なのに、当人は真剣に検査を受け、病院に通う。「本当にそれでいいのか?」と疑問を投げかけたのは、現役の医師だった。

 『病院のやめどき「医療の自己決定」で快適人生』(朝日新書)の著者、和田秀樹氏は、多くの著作を持つ精神科医。本書は健康長寿を目指したいなら、病院との付き合い方を根本的に見直すべき-とする衝撃的な内容である。

 医師が治療の拠り所とする「基準値」が、短い間に頻繁に変更するのはなぜか。そこまで厳格に扱う基準値が海外では「必要なし」となって撤廃されている例もある。そんないい加減な基準値に翻弄されて、忙しいのに時間を作って医療機関を訪れ、厳しい家計の中から医療費を支払っている。そこまでして「有効」な治療が受けられるならまだいいが、残念ながらそうではないようだ。

 安易に処方された薬で副作用が出たり、本来必要のない手術で生活の質が大幅に低下するケースが少なくないことに警鐘を鳴らす。なぜそんなことが起きるのか。

 著者が指摘するのは、医師の総本山である「大学医学部」の腐敗構造。背景には日本の医学部特有の閉鎖性がある。

 医学部は診療科ごとの縦割り組織で、それぞれの部門長である教授の多くは、自分の権威を誇示することのみに力を注ぐ。その結果、自分の領域外との連携は薄れ、教授が知り得る知識や技術のみに頼った古色蒼然たる医療が提供されることになる。

 がんで入院した著者の身内は、医局の都合を優先するあまり本来専門である診療科の医師に診てもらうこともできずに命を落としたという。医師の身内でさえそんな目に遭う危険性を孕(はら)む大学病院に、患者本位の医療など到底期待できない、と訴える。

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