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【生涯現役脳をめざせ!】難聴を放置するのは厳禁! コミュニケーションで認知機能の低下を防げ (1/2ページ)

★ゲスト 堤剛・東京医科歯科大学教授(耳鼻咽喉科)(3)

 認知症の発症や進行リスクのひとつ、難聴。「聞こえにくいのは年だから」とあきらめて放置してしまうと認知機能低下を進めかねない。家族や自分の聴覚機能を守り、悪化させないコミュニケーションのコツを聞く。

 朝田 難聴の人、おもに高齢者とのコミュニケーションのコツについて教えてください。本人や家族ができる工夫にはどんなものがありますか。私も患者さんと小さなホワイトボードを使って筆談をすることがあります。

 堤 まったく聞こえなければ補聴器や人工内耳を使っていただくしかないと思いますが、やっぱり、耳に音刺激を入れることが大事です。会話の際には本人が家族や周囲に「もうすこし大きな声で明瞭にしゃべって」と、遠慮せずに言うことも大事です。相手が大きい声でしゃべってくれれば聞こえる人が、「全然会話が成り立たない」と来院されることがよくあります。

 朝田 それでコミュニケーションが減ってしまうのは認知症の面からも避けたいところです。ところが、患者さんからは「あまり大きな声で話しかけられると怒鳴られたように感じて、つい家族とケンカになってしまう」とも聞きます。悪気はないのでしょうが、程度の問題はありますね。

 堤 私たちは「ゆっくり、明瞭に、少し低めの声でしゃべる」ことを心がけています。加齢性難聴の方は高音が聞こえないことが多く、「男性よりも女性の声が聞き取れない」という人は多いです。

 朝田 読唇術というか唇の形が読み取れるように「あ・い・う」と、しっかり発音するのはどうですか。