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【zak女の雄叫び】《zak女の雄叫び お題は「聖」》聖人君子でなくても、人の命救える!? 骨髄バンクドナー (1/2ページ)

 白血病など重い血液の病気の患者に、血液を作る造血幹細胞を第三者から移植する「骨髄バンク事業」をご存じだろうか。移植には患者と提供者(ドナー)の白血球の型(HLA型)が適合することが不可欠で、他に治療法がないなどの患者さんが骨髄バンクを通じてドナーを探す。15年前にドナー登録していた私のもとに今年、初めて「適合通知」が届いた。聖人君子ではないが、誰かの命を救えると思うと心が躍った。

 事業を行っているのは、公益財団法人「日本骨髄バンク」。平成5年に初めて骨髄移植が行われてから、今年で25年になる。今年9月までに約2万2400人が移植を受けたという。

 私は15年前、和歌山支局にいた頃にドナー登録イベントを取材し、その場で血液を採取してもらってHLA型を登録。その後、一度も適合通知が来たことはなかったが、定期的にニュースレターは届いていた。そして今年7月、「大切なお知らせです。至急開封してください」と書かれた大きな封筒が届いたのだった。

 ドナー候補者になったとの通知を見て、最初に頭に浮かんだのは、息子(5)のこと。説明冊子によると、最低3泊4日に及ぶ入院が必要だが、夫は長期の出張が多く、4日連続で家にいることはほとんどない。しかも、日程は患者さんの体調面などを考慮して決められるため、「この4日間でお願いします」というのは無理らしい。息子は夫と私以外の人と2人きりで4日も過ごしたことはなく、今のタイミングでは難しいかな、と一瞬思った。

 だが、親戚に息子の世話をお願いすることは不可能ではない。「誰かの命が助かることに比べたら、息子に4日間頑張ってもらってもいいのでは」と思い直した。家族の同意が必須ということで夫や親、職場の上司にもドナーになりたい旨を伝えたが、誰も反対はしなかった。

 約2週間後、病院での確認検査に臨み、採血などの検査や詳しい説明を受けた。数日後に「問題なし」との結果を受け取ったが、さらに2週間後の8月中旬、「選定保留のお知らせ」が届いた。より適した「第1候補者」が術前健診を終えるまで、補欠として待機。そして10月、終了の通知が届き、「第1候補者」が移植に進んだとみられる。今回は、実際に移植することはなかった。