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腸内細菌で抗がん作用向上、11種類を特定 慶応大が発表

 健康な人が腸内に持っていることがある11種類の細菌を投与すると、「オプジーボ」などの免疫細胞のブレーキを解除するがん治療薬の効果が高まる可能性があることを慶応大のチームがマウスを使った実験で突き止め、23日付の英科学誌ネイチャーに発表した。

 チームは「培養して増やし、がん免疫療法と併せることで治療効果を高められる可能性がある」としており、臨床研究を行う計画だ。

 人の腸内には1000種類以上の細菌が存在し、免疫などに影響を及ぼしていると考えられている。チームは健康な男女6人の便を、全く細菌を持たないマウスに別々に投与、がん細胞への攻撃などを担う免疫細胞の一種「CD8T細胞」の増え方を比較した。さらに最も多くの免疫細胞が増えていたマウスの腸から取り出した細菌から、特に免疫細胞を増やす11種類の細菌を特定した。

 がんができ始めたマウスに11種類の細菌を与えた上で免疫細胞のブレーキを外す免疫チェックポイント阻害剤を投与すると、細菌を与えない場合に比べて、がんの増殖が2分の1から3分の1に抑えられた。細菌を与えるだけでも一定の増殖抑制効果が確認できた。