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【マンガ探偵局がゆく】時代考証や伏線を超越した“おおらかさ” 当時の子供たちを虜にした「矢車剣之助」 (1/2ページ)

★ミッション(69)奇想天外な時代劇アクション

 今回は、かつて少年雑誌で大活躍した異色の経歴を持つマンガ家に関する調査だ。

 「このコーナーを読んでいると、子供の頃には、友達の家や散髪屋さんでマンガを読んだ、という方が多いですね。じつは私も散髪組。髪が伸びてきても、我慢して月刊誌の発売日まで待ったものでした。そのころ読んだ抜群に面白くて毎月楽しみにしていたマンガとマンガ家さんを探してください。時代劇なのに、ヒーローは連発拳銃をぶっぱなすし、キャタピラで走る要塞のようなお城が出てくるし…。とにかくムチャクチャなアクションものだったのは覚えていますが、タイトルは忘れました」(65歳・会社員)

 依頼人が探しているマンガは光文社の月刊雑誌『少年』で1957年から61年まで連載された堀江卓の時代劇『矢車剣之助』だ。

 舞台は江戸。主人公の矢車剣之助は浪人という以外に素性は謎。親の敵を探す健気な少年でもなければ、技を究めようとする剣士でもない。なにしろ武器として使うのは剣ではなく、名奉行・大岡越前から贈られた2丁の回転式拳銃。アメリカでリボルバー式回転拳銃が普及しはじめたのは19世紀半ば。大岡越前守忠相が活躍したのは18世紀前半なので計算が合わないが、このマンガはそんなことにはお構いなし。

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