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【食と健康 ホントの話】「腸漏れ」を防ぐ水溶性食物繊維 積極的摂取でバリア機能を維持 (1/2ページ)

 腸に“穴”が空く人が増えている。その穴から漏れ出した細菌や、それらが生み出す内毒素やウイルス、タンパク質などの異物が血管内に漏れ出すことによって全身を巡る。するとそれらが行き着いた各所で炎症が起こり、さまざまな病気が引き起こされたり、悪化したりすることがわかってきている。

 こうした状態を指す言葉「リーキーガット」になる原因は、ある種の食品添加物や、果糖、高脂肪食、NSAID(痛み止め)などの薬物を摂取することによるが、現代生活で完全にシャットアウトすることは不可能だ。

 そこで注目されている方法のひとつが、食物繊維、とくに水溶性食物繊維を積極的に摂取して腸のバリア機能をアップすることだと、横浜市立大学大学院医学研究科肝胆膵消化器病学教室(横浜市金沢区)の中島淳教授は話す。

 腸のバリア機能アップに大きな役割を果たすのが、腸内細菌だ。腸内細菌は食物繊維をエサにして、つまり発酵させていろいろなものを作り出す。そのうちで体に有益なものの代表が「短鎖脂肪酸」だ。

 ヒトの腸内で産生される主な短鎖脂肪酸は、酢酸、プロピオン酸、酪酸(らくさん)、乳酸で、それぞれが体の健康維持に貢献している。腸のバリア機能維持にとくに貢献しているのが酪酸だ。

 「腸内細菌が作り出す酪酸は、制御性T細胞を誘導するという非常に重要な役割をしています。腸は、常に莫大な病原微生物と接していますから炎症を起こしやすい。炎症は免疫反応ですから、病原性微生物をやっつけるためには有効ですが、腸のバリア機能も炎症によって低下させてしまいます。制御性T細胞がいれば、その炎症機能を抑えてバリア機能を維持することができます」

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