記事詳細

【食と健康 ホントの話】スパイスの刺激で「誤嚥性肺炎」予防 香りで脳の血流回復も (1/2ページ)

 高齢者が発症しやすく、死に至ることも多い誤嚥性肺炎。前回は、体温(約37℃)から離れた温度の飲食物、つまり、熱々のものや冷たいものを飲食するほど、飲食物が気管に入ってしまうこと(=誤嚥)が起こりにくくなると説明した。

 喉にある温度を感知するセンサー(受容体)は、加齢によって感度が鈍くなりがちだ。それを補うために熱々の、あるいは冷たい温度の飲食物を摂ると、気道を塞いで飲食物などが気管に入るのを防ぐ「嚥下(えんげ)反射」が正しいタイミングで起こる。誤嚥を起こしにくくなる。

 このことを突き止めたのは、東邦大学医療センター大森病院(東京都大田区)リハビリテーション科主任教授の海老原覚医師だ。海老原医師はさらに研究を進め、温度を感知する受容体は、スパイス(香辛料)により刺激を受けることを明らかにした。

 たとえば唐辛子などに含まれるカプサイシンは、43℃以上の温度を感知するTRPV1(トリップ・ブイワン)という受容体を活性化することが分かっている。つまり、カプサイシンが含まれた食事を摂ると、熱くなくても熱いと感じて、熱々の食べ物と同様に嚥下反射を引き起こす。

 実際に介護現場では、口で溶けるカプサイシンのシートを使い嚥下機能低下の予防を行ったところもあった(海老原医師が成分等を検証したものは、現在生産中止)。

関連ニュース