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【食と健康 ホントの話】マグネシウム不足が歯周病の悪化を招く 生活習慣病と低栄養の関係 (1/2ページ)

 「歯周病は、健康と病気の間、未病のサイン。その大きな原因の1つは、現代の低栄養です」

 そう話すのは、口腔細菌研究の第一人者、鶴見大学歯学部探索歯学講座(横浜市)の花田信弘教授。とくに生活習慣病と歯周病、低栄養との関係が深いという。その説明のために、まずは歯周病と生活習慣病の共通点、慢性炎症について説明しよう。

 歯周病は、歯ぐきの慢性炎症だ。歯垢(プラーク)や歯石、バイオフィルム(ネバネバする菌のかたまり)で守られた歯周病菌が悪さをすることで炎症が起こる。

 がんや糖尿病、心血管疾患、認知症などの生活習慣病も、慢性炎症が原因だ。たとえば胃がんの原因の1つは、ピロリ菌による胃粘膜の炎症だ。

 「約20年前までは、がんの原因は、ウイルスか放射線というのが定説でした。しかし今は、細菌と内臓脂肪による慢性炎症で説明できるようになりました」

 がんだけではなく、脳卒中や心臓病などをもたらす動脈硬化や糖尿病も、細菌や内臓脂肪による炎症で説明できる。細菌が体内に入る経路の1つが、口腔からだ。炎症を起こした歯ぐき(歯周ポケット)から、歯周病菌やそれらがもたらす内毒素が血管に入り、血流に乗って全身に届けられ、その先で炎症を起こす。近年では、唾液に乗って菌が直接腸まで届き、そこから腸もれ(リーキーガット)を起こして体内に入り込み、たどり着いた先で炎症を起こすこともわかってきた。

 内臓脂肪も、それ自体が炎症を引き起こす物質を分泌するため、多くの臓器が炎症を起こす。たとえば糖尿病は、メタボリックシンドロームによって悪化することと、歯周病との関係が有名だ。つまり、内臓脂肪と歯周病菌の両方からもたらされる慢性炎症が原因と考えることができる。

 この慢性炎症による悪影響を減らすために、現代の低栄養を改善する必要があると花田教授は話す。たとえば歯周病も糖尿病も、ミネラルの1つ、マグネシウム不足によって悪化することがわかっている。

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