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【ベストセラー健康法】「知ってはいけない薬のカラクリ」とは? タブー視されてきた製薬企業と医師の癒着の構図 (2/2ページ)

 製薬企業とて営利企業。利潤を求めるのは当然なのだが、本書で著者が追及するのは「利益相反」だ。医療とは本来、患者が「治療をしてもらう」、医師は「正当な医療費を受け取る」、製薬企業は「開発や製造販売に対する正当な対価を得る」という、三方にメリットが生じることで成り立つ関係だ。

 しかし、製薬マネーで医師の判断基準が動くと、患者はたとえば別の安価な薬で症状が改善する可能性があるのに高い薬価を支払わされる。あるいは薬を使わなくてもいのに、不必要な薬を使うことで、無駄に副作用を背負い込む危険性さえ出てくるのだ。

 製薬企業と医師だけが利益を得て、患者だけ(国や保険者も)が損をするような構図があってはならない-と考える著者の訴えが、豊富な資料を元に展開される。

 著書では、こう結ぶ。

 「この本で扱ったテーマは利益相反という、いささか地味でわかりにくい題材です。医学領域でも注目され始めたのはごく最近のことで、一般社会ではまだまだその重要性が認識されていません。また、お金について堂々と議論することはタブーとなっており、そこにまさしく知ってはいけない薬のカラクリが潜んでいるとも言えるでしょう」

 一読をお勧めする。(竹中秀二)

 ■知ってはいけないカラクリの事例(一部)
 □製薬企業が開く高級弁当付きの勉強会で、医師を満腹操作
 □講演会の講師として医師を招き、高額の「講演料」で札束攻撃
 □最初に患者数の少ない疾患で認可を取得して薬価を高め、あとから適用範囲を拡げる薬価操作
 □非公開の薬価策定過程
 □薬価算定委員にも流れる薬価マネー
 □「処方しないぞ」と脅して製薬企業におねだりする「影響力のある医者」の存在

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