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【雇用延長時代を生きる健康術】肥満に「聴力低下」のリスク 低音域でより強い傾向、老人性難聴に拍車 (1/2ページ)

 肥満はさまざまな病気の温床となるが、「聴力低下」のリスクも高めることはあまり知られていないのではないか。今年7月、国立国際医療研究センター疫学・予防研究部の溝上哲也部長らの多施設共同コホート研究で明らかになった。企業の定期健康診断を受診した約5万人のデータを最大8年間追跡調査した。

 「従来、肥満と聴力低下の関係は示唆されてきましたが、大規模な追跡研究は世界的にもほとんど行われていませんでした。今回の研究では、(1)肥満でない人と、(2)太っている人、(3)生活習慣病など代謝異常を合併した肥満(メタボリックシンドローム)を比較。(1)と比べると(2)、さらに(3)と聴力低下のリスクが高まることがわかりました」(溝上部長)

 肥満についての研究結果を見ると、BMI(体格指数=体重kg÷身長の2乗)で「25」未満の「1」を基本とし、BMI「25~29・9」の人は、約1・2倍聴力低下リスクが上昇。さらに、BMI「30以上」の人は、低音域(1000Hz)で約1・6倍にまで「聴力低下」の発症リスクが上っていた。

 身長170センチの人ならば、体重87キロ以上でBMI「30」以上になる。

 「加齢に伴う老人性難聴は、高音域(4000ヘルツ)から聞こえにくくなるといわれていますが、今回の研究結果では、肥満と聴力低下との関連は低音域(1000ヘルツ)でより強い傾向がみられました。肥満によって会話域の聴力低下のリスクが加わることで、老人性難聴に拍車がかかると考えられます」

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