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【ぴいぷる】作家・綿矢りさ 芥川賞から15年、書けないスランプ…たどり着いた「生のまま」 (2/3ページ)

 「書いてもボツになったり、話がまとまらない。インタビューなどでは『違うジャンルの作品にチャレンジされるのですか?』なんて聞かれるから、そのうちに何が書きたいのか、自分でも分からなくなって…」

 吹っ切れたのは、「読者を『感動させよう』と“狙う”のではなく、自分が書けるもの、自分が面白いと思ったものを書くしかない。それで読者に楽しんでもらえるようになればいい」と思えるようになったからだ。

 そして6月末、ずっと「書きたかった」テーマの新作を上梓できた。

 大人の女性同士の狂おしい恋愛を描き、話題沸騰の『生(き)のみ生(き)のままで』(集英社)である。

 過激なセクシー描写や女性同士の隠微なムードを期待した向きには、少しアテが外れるかもしれない。若い2人の女性が真摯に相手に向き合う「美しい恋愛物語」というべきか。

 きっかけとなった作品がある。20代で書いた『ひらいて』(2012年)。主人公の女子高生は、好きな男性を振り向かせる目的で、交際相手の女性に近づき、“関係”を持つ。

 「このときは高校生同士の恋愛でしたし、そもそもの目的が“さや当て”。いつか、大人の女性同士の恋愛を、もっと深めて書いてみたいと思うようになったのです」

 ■作品には「少しずつ、私が投影されている」

 タイトル(『生のみ生のままで』)は、自身で考えた。「むき身」「ありのままの姿で」「真正面から向き合う」という思いが込められている。2人の女性は美しく魅力的だ。ともに男性の恋人がおり、同性愛の性向があったわけではない。「好きになった人」「出会ってしまった」のが女性だったのだ。

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