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【がん「第5の治療法」を探る】延命がゴールじゃない! 「ムーンショット」の意気込みでトライアングル構想の開発急ぐ 中村祐輔医師 (1/2ページ)

 ムーンショットとは米国のアポロ計画を念頭に置いた国家的プロジェクトで、「月に向けてロケットを打ち上げる」という意味が由来。

 「『がんのムーンショット計画』は、2016年にオバマ米大統領(当時)が提唱し、息子をがんで亡くしたバイデン副大統領(同)が牽引(けんいん)した。人間を月に送ったそのフロンティア精神でがんの治癒(ちゆ)を目指したものだ。日本のように延命治療がゴールではない」

 がん研究会「がんプレシジョン医療研究センター」の中村祐輔所長はこのように話す。

 その思いも新たに、中村所長は、「黄金のトライアングル」ともいえるシステムを掲げている。

 その三角形の軸には、前回取り上げたネオアンチゲン療法(がん細胞にのみできる目印をターゲットにした免疫療法)を据える。これに人工知能(AI)とリキッドバイオプシーという要素を加えた。

 中村所長は現在、内閣府の戦略的イノベーション創造プログラムで「AIホスピタル」のプロジェクトリーダーを務め、新時代の革新的な医療の形を模索している。

 同プロジェクトではAIが患者の問診、インフォームドコンセントなどの補助をして、医療従事者を支援する。さらに、AI技術を応用したリキッドバイオプシー解析システムの実用化を目指している。

 リキッドバイオプシーは、がんの早期発見の切り札とされる。リキッドは液体、バイオプシーは生体組織診断の意味。

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