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【ここまで進んだ最新治療】幅広い病気に対応できる「高気圧酸素治療」 突発性難聴、骨髄炎、腸閉塞など (1/2ページ)

 潜水作業やスキューバダイビングの急浮上で起こる「減圧症」や、「一酸化炭素中毒」の治療法として知られる「高気圧酸素治療(HBO)」。しかし、他の幅広い病気にも有効であることはあまり知られていない。

 昨年4月の診療報酬改定で適応疾患に対する保険点数の基準が大幅に改定されたことから、医療機関も患者もHBOを治療に取り入れやすくなった。特に「突発性難聴」「放射線治療後の晩期障害」「難治性潰瘍を伴う末梢循環障害」「骨髄炎」「網膜動脈閉塞症」「腸閉塞」などの治療に用いられることが増えてきている。

 HBOは、潜水艦のような密閉式の装置に患者が入り、気圧を高めて行う。装置は患者1人を収容する「第1種装置」と、複数人を同時に収容する「第2種装置」がある。どんなことを行うのか。第2種装置を導入する日本医科大学付属病院循環器内科・高気圧酸素治療室の宮本正章室長が説明する。

 「HBOは、装置内の気圧を2・8気圧まで加圧した状態で、100%純酸素をマスクで吸ってもらう治療法です。第1種装置はカプセル型の装置内全体を酸素で加圧します。一方、第2種装置は装置内部を通常の空気で加圧するところに違いがあります」

 外来で行う場合、基本的には成人が対象。気胸(ききょう)の可能性があると受けられないので、治療前に胸部レントゲンを撮って確認する。また加圧中は「耳抜き」をする。治療時間は、30分かけて2・8気圧まで加圧し、その状態を30分キープし、30分かけて1気圧に戻すので、着替えなど含め約2時間だ。

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