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【続「心の老い」は克服できるか】認知症妄想の典型…男は“嫉妬”女は“物盗られ” (1/2ページ)

 認知症は周辺症状として妄想を引き起こす。妄想とは何か。医師でジャーナリストの富家孝氏が、精神科医の吉竹弘行氏に聞きます。

 --吉竹医師がこれまで診た認知症患者で、妄想がひどくてトラブルになった例はありますか

 「75歳の男性で集合住宅でひとり暮らしをしていた方。糖尿病を合併していて、いちおう自力でインスリン注射ができていましたが、記憶障害が進み、あるときから訪問看護のサポートを受けるようになりました」

 「訪問診療に行くと、隣の部屋から変な臭いがすると訴えるのです。看護師やケアマネ、私も臭いは感じられませんでした。それで、妄想が出てきたと判断し、向精神薬を投与するようにしました。しかし、改善の兆しはなく、あるときから、隣室の中年女性が夜間に若い男を連れ込んでいると言い出すのです。心配していると、とうとう深夜に隣家に踏み込んで、警察沙汰になりました」

 --どう対処を

 「私としては、向精神薬を増量するほかなかったのですが、深夜の行為が続き、ひとり暮らしは無理と判断、精神科の病院への入院措置を取りました。入院後は、『騙された。許せない』と散々言われました」

 --男性の妄想は“嫉妬妄想”が多いとか

 「確かに。下世話な言い方ですが、『男は色欲、女は物欲』と言って、男性の場合は『妻が若い男と浮気している』という“嫉妬妄想”が、女性の場合は『財布を盗まれた』という“物盗られ妄想”が多いんです」

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