記事詳細

【鎮目博道の顔ハメひとり旅】ご当地グルメになれる「尖ったパネル」

 「ある朝、目が覚めたら、麩になっていた」

 まるでカフカの「変身」みたいだが、あなたにも変身願望がないだろうか? 私のような気弱な庶民の変身願望を叶えてくれるのが顔ハメなのだが、あなたもなかなか「お麩になろう」とは思わないだろう。

 そんな、「食材に変身したい」というニッチな夢を現実にすべく、顔ハメパネルを積極的に設置している施設がアキバにある。東京の秋葉原駅からほど近いガード下にある商業施設「CHABARA」の中の「日本百貨店しょくひんかん」。簡単に説明すれば、日本各地の食品が買える「日本全国のアンテナショップ」的な施設だ。

 同店の蓑島学店長はこう語る。「うちのテーマが食のテーマパークなので、地域の食材に自分がなって、『楽しかったね』という経験を持って帰ってもらいたいというちょっと斜め上のコンセプトで仕掛けてみました。4年前に初めて麩のパネルを作ろうとした時は、麩のメーカーさんに説明するのが大変でしたよ(笑)」

 …斜め上すぎるコンセプトだが、よくいう「わたしを食べて?」というヤツだろうか(多分違う)。とにかく、お麩とか骨付鳥とか、ご当地グルメになれる「尖ったパネル」が揃っている。

 この「日本百貨店しょくひんかん」は、これまでにも、なかなかエッジの効いた催しで評判を呼んでいる。

 岡山の白桃ジュースが、桃型の巨大な容器についた蛇口から出てくる「白桃ジューステイクアウト」はネットで話題になった。つい最近は、ホットドッグとかについてくる、ケチャップとマスタードが一緒に絞れたりする容器「パキッテ」の展示会を日本でたぶん最初に開催した。とにかくゲリラ的にいろいろやらかしてくれる、楽しいところだ。

 「今後も何かあったらすぐ顔ハメを作っちゃいますから」と蓑島店長。アキバにあって日本食材が一堂に会しているということは、きっとインバウンドの外国人観光客も多く訪れるだろう。

 ぜひ、コロナで失速する日本経済と日本顔ハメを盛り上げてほしいものだ。

 ■鎮目博道(しずめ・ひろみち) テレビプロデューサー。顔パネ未来研究所長。公共コミュニケーション学会会員。顔ハメパネルに変顔をしてハマり「一体化」する魅力に取り憑かれ、「顔ハメパネルは演劇だ!」とばかり各地を徘徊し飲んだくれる。昨年5月、「第1回顔ハメパネルシンポジウム」を開催。これまでにハメたパネルの数は700枚を超える。

関連ニュース