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山手線の新駅「高輪ゲートウェイ駅」を歩く かつては江戸の玄関口に

 3月にJR山手線で30番目の新駅として、品川-田町間に開業したばかりの「高輪ゲートウェイ駅」(東京都港区)に出掛けた。山手線の新駅は1971年の西日暮里以来、およそ50年ぶりだ。

 駅舎は、折り紙をモチーフとした白い大屋根が特徴で、国立競技場を手掛けた建築家隈研吾さんがデザインした。ガラス張りの壁から明るい陽光が差し込み、何とも心地よい空間だ。

 路線の乗り換えなどを人工知能(AI)で案内するロボットや、完全キャッシュレスの無人コンビニなど最新の設備がそろった“未来の駅”。駅に向かう車内の液晶画面で見た「たかなわげーとうぇい」との牧歌的な平仮名表示とのギャップが面白い。

 駅名は、近くに江戸の玄関口になっていた「高輪大木戸」があったことから決められた。公募の順位が130位にとどまったため、反対論があったことも記憶に新しい。

 第1京浜沿いに大木戸跡の石垣が一部残り、国の史跡に指定されている。大木戸跡は、新駅よりも都営浅草線と京浜急行の泉岳寺駅に近い。もちろんこちらの駅名は、赤穂浪士の墓がある泉岳寺に由来する。

 駅名公募で3位だった「芝浜」は、師走によく演じられる古典落語にちなんだもの。魚屋の勝五郎が大金の入った革財布を拾ったのが、かつて「雑魚場」と呼ばれていた魚市場があった場所で、現在は埋め立てられて本芝公園になっている。

 サザエをかたどった遊具は、かつて海浜だったことの名残か。公園の最寄り駅は田町駅。新駅から歩いてみたものの、外出自粛の長期化で運動不足の足には少々こたえる距離で「駅名は『芝浜』ではなかったな…」と身をもって実感した。

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