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【歯周病とコロナ 感染予防を追う】感染拡大の陰に口腔内の細菌が暗躍? 注目されるオーラルケア (1/2ページ)

 全国的な緊急事態宣言解除から2週間が過ぎたが、いまも第2波、第3波の襲来への警戒の必要性が叫ばれている。

 治療薬やワクチン開発にはなお時間を要すると見られる中、手洗いの励行、マスクの着用、3密の回避など、できることを確実に実践していくしかない。

 そんな中で、ある取り組みが注目されている。それはオーラルケア、つまり口腔衛生の維持と向上だ。

 新型コロナウイルスが感染する経路として、口、鼻、目があることは周知のとおり。自粛要請の解除を受けて、人と接することが避けられない業種では、マスクやゴーグル、フェイスシールドで防御しながらの経済活動再開が一般化している。

 しかし、ここでいうオーラルケアとは、感染経路としての口ではなく、細菌の温床となり得る口腔の衛生状態を問題としている。

 東京都渋谷区にある片平歯科クリニックの片平治人院長が言う。

 「目、鼻、口の中でも、細菌やウイルスが侵入経路として大きいのが“口”。特に口腔内に棲みつく細菌は、様々な歯周病や歯肉炎などの口腔疾患を引き起こすだけでなく、インフルエンザなどのウイルスによる感染症のリスクを高めることがわかっているのです」

 ここで「細菌」と「ウイルス」の違いを整理しておきたい。どちらも目に見えない小さなものであることは同じだが、その実像はまるで異なる。

 細菌(バクテリア)は単細胞の生物で、大きさは1~10マイクロメートル。細胞があるので自分で分裂することで増殖できる。

 一方、ウイルスのサイズは細菌の100分の1程度と比較にならないほど小さく、細胞を持たないので自分で増殖することができない。このことをもって「ウイルスは生物ではない」とする研究者も少なくない。ウイルスは、自分以外の生物の細胞に入り込むことで初めて増殖することができるのだ。

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