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【歯周病とコロナ 感染予防を追う】口腔内の細菌が血管に…菌血症と糖尿病、コロナの怖い関係 (2/2ページ)

 今回の騒動の早い時期から「糖尿病の人はハイリスク」と言われていた。花田教授はこれについても歯周病との因果関係を指摘する。

 「糖尿病の人の多くは歯周病を持っている。つまり菌血症のハイリスク群なのです。そして、血中にグルコースが多い(高血糖)の状態は、たとえ免疫系が働いても菌が簡単にはクリアにならない。そうこうしているうちに肺に到達して悪さをしてしまうのです」

 ひとくちに歯周病菌といっても種類は多い。その中で、特に危険なのが「ポリフィロモナス・ジンジバリス(PG菌)」だ。

 PG菌は日本人の2人に1人の確率で口腔内にいる常在菌で、一度棲みついてしまうと歯科治療で除菌しない限り除去することは困難だ。

 また、口腔内には「エンドトキシン」という毒性物質があり、歯周病の人はこの毒素を血中に送り込んでいる危険性が高いという。

 「米インディアナ大学で、50人の健康な若者が3週間、歯を磨かないでいるとどうなるか-という実験を行ったところ、56%で血中にエンドトキシンが混入していたのです。歯を磨かないことで歯周病が起き、口腔内の毒素が血管内に入り込んだことを示唆します」

 花田教授によると、菌血症もエンドトキシン血症も、新型コロナウイルス肺炎重症化のリスク因子である「サイトカインストーム(免疫の暴走)」を引き起こす要因になるという。

 こうして見ていくと、新型コロナウイルスへの感染予防、さらには万一感染した時の重症化予防に、オーラルケアがきわめて重要な意味を持っていることが理解できる。

 次回以降、具体的な口腔衛生対策について検証する。(中井広二)

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