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【橋本医師が挑む! あきらめない膵臓がん治療】抗がん剤の併用療法でステージIIIの膵臓がん縮小→「コンバージョン・サージェリー」が成功 (1/3ページ)

 「うちでは切除できない。このままでは助からない」。ステージIII、局所進行の膵臓(すいぞう)がん。2017年、千葉県内に住む70代の中沢洋子さん=仮名=は首都圏のある病院で医師にそう告げられ、目の前が真っ暗になった。

 しかし、治療法はあるかもしれない。一縷(いちる)の望みを託し、国立がん研究センター東病院(千葉県柏市)を紹介してもらう。

 主治医が変わり、肝胆膵がんのスペシャリスト、橋本裕輔医師は「ステージIIIは他の臓器への遠隔転移はないのですが、抗がん剤治療で縮小しても切除できる人は15~20%にとどまっています。とても治療が難しい段階にあります」と話す。

 「膵癌診療ガイドライン」=別項=によると、ステージIIIは腫瘍が主要な動脈を巻き込み、血管に浸潤している進行がんとなる。

 確率が低くとも治療をあきらめない橋本医師が採用した治療は、抗がん剤の「ゲムシタビン+ナブパクリタキセル」の併用療法だった。これは連載の1回目で紹介したステージIVの患者に使われ、効果があった薬剤の組み合わせだ。切除不能膵がんにおいて腫瘍の縮小効果が高い治療法とされる。「この薬剤にうまく反応すれば、切除できるかもしれない」。橋本医師はそう思った。

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