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【食と健康 ホントの話】現代の肥満症の治療法とは 日本では限定的な抗肥満薬や外科手術 (1/2ページ)

 治療が必要な「肥満症」。BMI25以上で、肥満に起因・関連する11の健康障害が1つ以上ある場合に診断されることを前回紹介した。名古屋市立大学肥満症治療センターの田中智洋副センター長に、治療法と効果について聞いた。

 日本肥満学会では、BMI25以上35未満の肥満症の人は、治療前の体重の3%以上、35以上の高度肥満症の人には5~10%の減量を推奨する。

 2008年に開始された特定健診・特定保健指導のデータからは、1~3%の減量で、LDL(悪玉)コレステロールやHDL(善玉)コレステロール、中性脂肪、HbA1c(過去2カ月の平均血糖値)、肝機能は有意に改善。3~5%の減量では血圧、尿酸、空腹時血糖が有意に改善した。この結果に基づいて、まずは3%が推奨されている。

 しかし、高度肥満症の人はやはり5~10%、抱えている疾患によってはさらに減量が必要なこともある。そのための治療法は、まずは食事療法(肥満症治療食)を実施し、運動療法、認知行動療法によって、生活習慣の改善を図ることが基本だ。さらに高度肥満症の人は、入院による超低エネルギー食(1日600キロカロリー以下)や薬物療法を行い、外科療法も視野に入れる。

 日本で保険適用の抗肥満薬は、高度肥満症に対して3カ月のみ使えるマジンドール(商品名サノレックス)の1種類のみ。「私たちの検討でも、患者さんにマジンドールを3カ月間投与した後、次の外来受診までおおむね5%弱の体重減少が維持できていました。しかし、この薬が非常に有効な方とあまり有効でない方がおられます。薬の開始前後で5%以上の減量が達成できた有効例では、投与開始前にすでに5%程度の減量に成功していたところに、さらに薬を開始したことでよく効いています。つまり、非薬物療法で十分な減量効果を認めた段階で、薬物療法を開始することが重要ではないかと考えています」

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