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「変形性膝関節症」手術に優る幹細胞治療のメリット BTRアーツ銀座クリニック・市橋正光院長に聞く (2/3ページ)

 脂肪幹細胞は、ES細胞やiPS細胞といった他の幹細胞に比べ、倫理的な問題や発がんリスクが極めて低く、採取がしやすいので患者の負担も少なくて済むのが特長だ。脂肪由来幹細胞は、軟骨を含む多様な細胞に分化できる能力があり、傷ついた軟骨の再生や損傷した膝治療部位以外の周囲の組織の活性化を促し、修復機能を助ける働きも報告されている。

 自分の細胞を使う(自家)治療法に比べ、ES細胞やiPS細胞による治療法は基本的には他家(他人の細胞)を使用するために、未知の感染症などのリスクは排除できない。自身の細胞を自身の治療に使う自家移植では、拒絶反応のリスクが少ないため、すでに治療は実用化されているのが大きなメリットだ。

 また、症状がひどい場合、大腿骨と脛骨が接する部分を丸ごと切除して人工関節を取りつける人工膝関節置換手術が行われる場合もある。だが関節の可動域が狭まるなどのデメリットも少なくない。さらに、人工関節には耐用年数の問題もある。一般的に人工関節の耐用年数は15-20年といわれ、機能が減じると人工関節の入れ替えが必要だからだ。65歳で人工関節置換手術を受け、15年後に入れ替える場合、そのときの手術年齢は80歳にまでなってしまう。大きな手術をする体力や経済負担など、患者はよくよく考えなければならない。

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