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【zak女の雄叫び】《zak女の雄叫び》“noteの女王”岸田奈美さんの素顔とは (2/2ページ)

 ファンの心をとらえるのは、家族を題材にしたものも多い。岸田さんにはダウン症の弟、下半身まひのため車いすで生活する母親がいる。中学2年生のときに急逝した父親との思い出も含め、何気ない日常をユーモアを交えて紹介する。

 例えば、コピーライターの糸井重里氏がツイッターで紹介し約80万PVに上った「弟が万引きを疑われ、そして母は赤べこになった」というエッセーでは、中学生だった弟が、代金を払わずにコンビニからコーラを持ち帰ってしまった“事件”を取り上げた。

 謝罪に赴いた母親が何度も頭を下げる姿を、福島県会津地方の郷土玩具「赤べこ」になぞらえる。笑いのセンスと、家族への愛情あふれる文章が、読者の心をひきつけているようだ。

 「執筆動機は『好き』や『愛』のおすそ分け。障害のある家族のことを書いているつもりはなく、大好きな家族に、たまたま障害があったということなんです」と話す岸田さん。

 父親との死別、母親を襲った病、会社員時代に心身の不調で休職したことなど、つらい体験を重ねてきたからこそ、誰かを傷つける文章になっていないか神経を払う。取材中に見せてもらったスマホには、アンテナにひっかかったあらゆる出来事をメモした膨大な記録があった。

 繊細で努力家。笑顔が印象的な29歳。今後の活躍から目が離せない。(し)

 【zak女の雄叫び】取材や日常…。女性記者が本音を綴るリレーコラムです。