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【コロナ禍のがん闘病記~ステージIVからの生還】ピンチの度に“幸運”が… 胸腔鏡手術成功、復職の夢ふくらむ (2/2ページ)

 今年は、がん患者にリスクの高いコロナの流行が重なった。手術や4月の緊急入院時の治療も、コロナへの厳戒態勢下で行われた。コロナ感染を恐れて治療控えをする患者がいる。病院が治療を延期するケースもある。だが、コロナ禍でもがんの進行は待ってくれない。

 同病院の西尾誠人呼吸器センター長は「一般的に肺がんは進行が速い。薬物療法が進歩していますが、薬物療法だけで根治できるわけではありません。早期に発見して早期に治療することが重要です」と語る。

 吉仲さんには「若い衆と一緒に仕事をしたい」という夢がある。若い衆には家業を継いだ長男の範敏さんも含まれる。

 「お仕事は可能な範囲で復帰されることは良いことだと思います。ただし、サルベージ手術は根治手術ではないので、あまり無理はできないかもしれません」と呼吸器内科副部長の柳谷典子医師は今後を気遣う。

 危機を何度も乗り越えた吉仲さんはいま、生きている喜びをかみしめている。(取材・佐々木正志郎)

 ■吉仲勇(よしなか・いさむ) 1952年東京都出身。15歳で左官業の道に入り、後に有限会社吉仲左官工業設立。2015年、千葉県浦安市の病院でがんの疑いを指摘され、16年、がん研有明病院で肺がんステージIVと診断。

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