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【ベストセラー健康法】本当に「東大医学部卒」は名医なの? 現代の医療と教育の問題に斬りこむ一冊『東大医学部』 (1/2ページ)

 「あの先生は〇〇大の出身だから腕がいいはず」と、医師を学歴で判断した経験はないだろうか。しかし、本当に「偏差値が高い大学出身の医師=優れた医師」なのか。今回紹介する『東大医学部』(ブックマン社刊)は、日本の最高学府・東大の医学部に焦点を当て、現代の医療と教育に横たわる問題に斬りこんだ一冊である。

 本書は、自身も東大医学部出身で精神科医として活躍する和田秀樹氏と、医療ジャーナリストの鳥集徹(とりだまり・とおる)氏の対談形式で構成されている。

 「東大医学部が偏差値トップだからといって、東大を出て医師になるのが本当に幸せな道なのか? さらに、東大医学部卒の医師は、本当に優秀か? を問いかける刺激的な一冊です」(編集を担当したブックマン社の小宮亜里さん)

 医療現場を20年にわたって取材してきた鳥集氏は、「他の医師から高く評価される『名医』と呼ばれる医師を見ても、東大医学部出身者は必ずしも多くないのが実情」と言い切る。たとえば、東大出身者には、頭の回転が速すぎるせいか、取材でも会話が成立しないような人物もおり、このような医師が患者やスタッフと円滑なコミュニケーションが図れているのか疑問に感じたのだという。

 東大医学部への進学が約束された理科III類は、東大の他学部に比べてもずば抜けて難関だ。毎年、入学者ランキング上位に代表されるような超エリート高校の学生が合格者の4割程度を占めるという(別項参照)。つまり、限られた環境で似たような教育を受けてきた人間の集団だということだ。

 和田氏は、「コミュニケーション能力の低い医師は、圧倒的に有名大学病院の男性医師に多い」とし、患者の顔を見ず電子カルテしか見ない医師もたくさんいて、大学病院というブランドに守られた彼らは態度を改善しようともしない、と批判する。

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