記事詳細

【長田昭二 ブラックジャックを探せ】嚥下障害を持つ子供たちのために尽力 日本歯科大学口腔リハビリテーション多摩クリニック口腔リハビリテーション科教授・科長、田村文誉さん (1/2ページ)

 東京都小金井市にある日本歯科大学口腔リハビリテーション多摩クリニック口腔リハビリテーション科科長の田村文誉教授は、「飲み込む機能」に障害を持つ小児のリハビリ(摂食指導)の専門家として知られる歯科医師。

 対象となるのは、脳性まひやダウン症などにより、嚥下(えんげ)機能の障害を持つ子供たち。「私自身、子供の頃は身近に障害を持つ人がいなかったので、初めてこの学問を知った時に興味を持ったのが始まりでした」

 嚥下障害というと高齢者の症状を思い浮かべるが、正しい咀嚼(そしゃく)や嚥下ができなければ、子供でも誤嚥し、肺炎も起こす。障害によっては「咳反射」がうまくできない子供もいる。肺炎を起こせば命に関わるのは高齢者と同じだ。

 一方で高齢者と子供では異なる点もある。治療やリハビリの内容だ。

 「高齢者はかつて正しい嚥下を経験しているので、その機能を維持したり、時には再獲得することを目標にできますが、正常な食べ方の発達をしていない障害児は、そもそも正しい嚥下を知らない。父母や医科の主治医と連携し、長期的に根気強く練習していく必要があるのです」

 1人あたりの診療時間はどうしても長くなる。田村教授が1日に診られる患者数は最大で7人だ。それでも田村教授の存在を知って、遠方から子供を連れて訪れる両親が後を絶たない。

 「小児の嚥下障害のリハビリ分野に長けた歯科医師の育成が急務であることは確かですが、一緒に取り組む歯科衛生士、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、管理栄養士などの数も決して充足しているとはいえません」と窮状を訴える。

関連ニュース