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【zak女の雄叫び】江戸城天守は復活するか (2/2ページ)

 日本の歴史・伝統・文化の再発見▽木造建築技術の継承▽観光資源としての経済効果▽税金ではない国民、企業の寄付金による公共事業の創出-。天守再建には4つの意義があるという。中でも黒川さんが危機感を抱いているのが、建築技術の継承だ。

 「木造城郭建築は日本独自の文化ですが、それを担う宮大工が減っていることを取材で知りました。江戸城天守再建には10年かかるといわれており、その後の修復を含めると、若い職人にとって、技術継承の貴重な機会になるのでは」

 確かに、日本独自の文化は将来にわたって継承されてほしい。ただ、元宮内庁担当記者の私としては、御所を見下ろすような高層建築が皇居内にあるのは、いかがなものかという思いもある。その辺、どうなんでしょう?

 黒川さんは、想定される反対意見を漫画の中で、できるだけ多く取り上げた。物語では反対意見を述べる人々に、主人公が丁寧に説明していく。例えば、私も感じたような城から御所を見下ろすことは不敬に当たるのではないかという疑問には、江戸時代も将軍や世継ぎのいる御殿の方角の窓を閉めていた歴史を示し、御所と宮殿側の天守の窓の閉鎖を提案する、といった具合だ。

 黒川さん自身は江戸城再建にどんな意義を見いだしているのだろう。

 「コロナ禍に見舞われ、経済的にも長年元気のないこの国に住む人にとって、自分たちの寄付で城を建てるのは希望になると思います。寄付した人の名前が瓦に刻まれるといった取り組みにしたら、自分たちの城だという愛着も生まれる。子供たちが守っていける、誇りとなるものを残してあげたいですね」

 自分の名前が刻まれた江戸城天守。いいかも。(し)