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【今から始めよう!70代まで働く健康術】咀嚼機能が失われると「認知機能の低下」につながる 歯のメンテナンスを定期的に行い、しっかり噛む意識を (1/2ページ)

 健康長寿のためには間違いなく「歯は大切」だ。歯が維持されてしっかり噛むことができれば、さまざまなものを食べて健康に役立つ栄養素を体内に取り入れられる。よく噛むことは脳にも良い影響を与える。

 「人類が、脳を発達させた最大の理由は、顎の骨が発達したことに関係しています。よく噛むことで脳に刺激を与え、高次脳機能(認知機能や精神機能)を発達させたからこそ脳は大きくなり、複雑な仕組みを有するようになったのです」

 こう説明するのは、東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科分子情報伝達学分野の中島友紀教授。長年、骨の研究を続け新たな発見を次々と行っている。

 そのひとつ、成長期の咀嚼(そしゃく)が高次脳機能に重要であり、咀嚼の低下が神経細胞の減少に関わる--という論文を2017年、国際科学誌に発表した。咀嚼の刺激を低下させたマウスモデルは、脳の海馬(かいば)という部分の神経細胞が変化し、記憶・学習機能障害を引き起こしたという。加齢に伴い歯を失って、よく噛まないでいると脳にも悪影響を及ぼす可能性がある。

 「現在の歯の喪失原因の第1位は歯周病です。歯を失った状態を放置し、咀嚼機能が失われると、認知機能の低下につながります。健康長寿のためには、『よく噛んで食べる』ことが重要といえるのです」

 厚労省の2016年「歯科疾患実態調査結果」によれば、80歳で20本以上の歯を有する人の割合は50%超。虫歯で歯を失う人は減り、メンテナンスで歯を維持できる人が増えた。一方で、歯周病を抱える人は高齢になるにつれ増加傾向だ。50歳以上の約半数の人は、歯周病になっていると推計されている。

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