【ほんとの話】若山弦蔵さん 藤沢周平作品、声に出して読んでみたい

2009.11.06


若山弦蔵さん【拡大】

 本は好きですね。僕の今までの人生で大きな影響を受けているのはロマン・ロラン『ジャン・クリストフ』(岩波文庫)。高校時代、新潮社から戦後初の世界文学全集が刊行され、アルバイトして購読。そのときの1冊だったのです。ベートーヴェンが主人公のモデルだと知り、クラシック音楽好きでもあっただけに一層のめりこんだのだと思います。細かな内容は忘れましたが、主人公が逆境に虐げられながらも努力で高みに到達することに感銘。努力の二文字が深く胸に刻みこまれました。全巻購読は途中で挫折したのですが(笑)。

 今、声に出して読んでみたい本は藤沢周平作品。ほとんど読み終えましたが、そのまま読めば音になるところがいいのです。既に仕事で朗読した作品(新潮CDブック収録)は小林多喜二「蟹工船」(新潮文庫)。やはりいい作品でした。作中、東北・北海道特有の浜ことばが出てくるので、北海道の生活が長かった僕が名指しされたとのことです。ほかに五木寛之『さらばモスクワ愚連隊』、森鴎外『阿部一族』も朗読(同CDブック)しています。『阿部一族』のように心の動きより記述中心の文体になると、仕事として難しくなりますね。

 赤坂(TBS)に通っていたときは書店に寄り、文庫本、ハードカバーを購読。最近では『証言・フルトヴェングラーかカラヤンか』(新潮選書)や『N響80年全記録』(文芸春秋)が印象深いですね。後者は生で聴いた演奏会や指揮者のことが思い起こされ、感慨に浸りました。今はTBSラジオ「永六輔の土曜ワイド」に時々(次回は11月7日)出演。これからも声の仕事をしていきたいですね。(声優、ディスクジョッキー)