やっとの思いで手に入れた結婚生活。しかし、2人の結婚観、つまり結婚後にどんな夫婦生活を送っていきたいのかが食い違っていたのでは、円満な家庭は築けない。そんな悲劇を招かないようにするには、婚活段階での見極め、時にはすり合わせが必要だという。
「仕事を終えたらまっすぐ帰る。友人どころか、仕事の付き合いも認められず、会社を出るときに電話を入れ、帰宅が予定より遅れると、理由をしつこく問いただされる毎日にもううんざり」
こうため息をもらすのは都内の印刷会社に勤めるAさん(50)。結婚当初はやきもちを焼く新妻をかわいくも思ったというが仕事上の付き合いもおろそかにできないので、飲んで帰ろうものならおかんむり。2、3日は機嫌が直らないというからお気の毒だ。土産を買って帰っても効果なしとあきれ顔である。Aさんが奥さんと出会ったのは結婚相談所だ。2年前に入籍したというが、今は夫婦間に隙間風が吹いているという。
「結局、結婚観が違っていたんでしょうね。私は独身時代のライフスタイルを崩したくないんですが、妻は家族になったんだから、家庭を一番に考えるのが当然と思っているんです」(Aさん)
当然、休日のゴルフも許されない。接待ということならしぶしぶ承知するが、コースに出るのは年に4回がいいところ。腕も落ちてしまい、とても接待にならないと嘆く。
Aさんのケースはいささか極端ではあるが、結婚を機に付き合いが悪くなったという話はよく聞く。それでは出世にも響くという声も聞こえてきそうだが、家庭を大切にしてほしいという奥さんの気持ちも分かる。こうした夫婦間の溝はなかなか埋められないとは、夫婦問題のカウンセリングを行うHaRuカウンセリングオフィスの高草木陽光(たかくさぎ・はるみ)氏。