痛みなく自覚ない「梅毒」急増 ここ数年で幅広い年代層に感染

2015.12.17


梅毒の病原体の「梅毒トレポネーマ」(提供・国立感染症研究所)【拡大】

 いつまでもセックスを楽しみたいなら、STI(性感染症)の知識をもつことが大事。夫婦の間でも、どちらかが外で遊んでいれば感染リスクがある。最近のSTIの動向をヘルスプロモーション推進センターの岩室紳也医師(泌尿器科医)に聞いた。

 【症状が皮膚に出る】

 STIで圧倒的に感染者が多いのは、男性は排尿時の痛み、ペニスの先からうみが出る症状(女性は自覚症状がない)が現れる「クラミジア」。しかし、HIVを除くSTIで、いま専門医の間で最も注目されているのは「梅毒」の急増という。

 国立感染症研究所のまとめでは、今年10月28日時点の梅毒患者の報告数は2037人で昨年同時期の1・5倍。2011年から急増し始め、現在の調査方法になった1999年以降で最多となっている。

 梅毒はいったん流行し始めると、感染者が急増しやすいという。

 「それは梅毒の症状が皮膚の発疹や痛くない潰瘍・シコリで、陰部以外の場所にもできるのでコンドームでは完全に予防できないからです。抗菌薬で治りますが、他人にうつさないためには最低1カ月くらいかかる。治療期間が長いのも感染が拡大しやすい理由です」

 クラミジアであれば尿道からうみなどの分泌物が出るのでおのずとセックスを控えるが、梅毒は痛くもかゆくもない。皮膚病変の接触でうつるので、病変が陰毛などで隠れた場所にあると気づかないままパートナーにうつしてしまうのだ。

 【同性間感染も多い】

 岩室医師は、最近はオーラルセックスによる感染が増えているとみていて、ここ数年で確実に幅広い年代層に感染が広がっているという。

 「男性同性間の感染が多いのですが、若い女性の感染増加も顕著で、妊娠中の胎児が感染する先天梅毒も今年はすでに10例報告されています。夫が外で遊んだケースもありますが、バイセクシャルの人から感染することも意外と多いのです」

 近年では、「HIVの感染を見つけたら、梅毒の検査をしろ。梅毒の感染を見つけたら、HIVの検査をしろ」というのが専門医の間では常識になってきているという。

 「セックスをして3〜4週間くらい(の潜伏期間が)たって、陰部の周辺にシコリや潰瘍、体に発疹ができたら梅毒を疑うべきです。診療科は皮膚科で、医師にセックスをした後に症状が現れたことをきちんと伝えてください」

 次回は、HIV感染の動向を解説してもらう。 (水川信吾)

 《注意したい主な性感染症》
 【コンドームで予防できる病気】
 ★HIV
 ★クラミジア
 ★淋病(りんびょう)
 【コンドームで予防できない病気】
 ★梅毒→急増中
 ★尖圭(せんけい)コンジローマ

 

産経デジタルサービス

産経アプリスタ

アプリやスマホの情報・レビューが満載。オススメアプリやiPhone・Androidの使いこなし術も楽しめます。

産経オンライン英会話

90%以上の受講生が継続。ISO認証取得で安心品質のマンツーマン英会話が毎日受講できて月5980円!《体験2回無料》

サイクリスト

ツール・ド・フランスから自転車通勤、ロードバイク試乗記まで、サイクリングのあらゆる楽しみを届けます。

ソナエ

自分らしく人生を仕上げる終活情報を提供。お墓のご相談には「産経ソナエ終活センター」が親身に対応します。