婚外セックスで60歳以上の“梅毒”急増 オーラルセックスでも感染、定期的な検査を

2016.12.15

梅毒の病原体の「梅毒トレポネーマ」(提供・国立感染症研究所)
梅毒の病原体の「梅毒トレポネーマ」(提供・国立感染症研究所)【拡大】

  • <p>主婦会館クリニック・堀口貞夫所長</p>

 20代女性に「梅毒」の感染が急増している。しかし、同時に高齢者(60歳以上)の感染も増えている。どうしてなのか。日本性科学会・セクシュアリティ研究会のメンバーで主婦会館クリニック(東京)の堀口貞夫所長に聞いた。

 ◇

 梅毒は、性的な接触(粘膜や皮膚の直接接触)でうつる性感染症。「梅毒は昔の病気」と思われがちだが間違い。保健所への届け出数だけでも2013年と15年を比べると倍増(2697件)。いまも増加を続けている。

 「年齢別でみると、増加が顕著なのは20代前半の女性です。男性では20代後半〜40代前半が多く、その後は男女とも年を増すごとに報告数が減少しています。ところが60歳以上になると一転、男女とも増加しています」

 なぜ、高齢者に増えているのか。その背景要因の1つは「婚外セックスの増加」だ。堀口所長らセクシュアリティ研究会は、これまで中高年(40〜70代)の性活動の調査を行ってきた。その結果によると、10年前と比べて近年は、「配偶者以外の異性と性的関係があっても家庭に迷惑がかからなければいい」という男女が増えているという。

 「60歳以上になると女性は性交痛などで夫婦間のセックスを拒否するケースが増えてきます。しかし、男性は性欲があるので外にセックスを求めてしまう。調査でも男性の3割は『売春は悪くない』と答え、また男女とも不倫のタブーはゆるみつつあります。それで性病を家庭に持ち込み、妻にうつしてしまうのです」

 もう1つの要因は、高齢者は性風俗の情報に乏しい点がある。梅毒は咽頭にも感染するので、オーラルセックスでもうつる。

 「梅毒は、感染後3カ月以内に感染した陰部・口唇・咽頭にシコリや潰瘍ができますが、痛みがないことも多く、自然に良くなってしまう。しかし、治療しないと間もなく全身のリンパ節がはれて小さい赤い発疹が全身に現れ、十数年後に心臓、血管、脳などの臓器がおかされ、最悪、死亡することもあります」

 コンドームで感染リスクは減らせるが、婚外セックスを続けるなら定期的な検査をした方がいい。 (水川信吾)

 

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