成人本自販機全撤去宣言する自治体続出、消滅した県も (2/2ページ)

2017.05.29

 その人気は、家庭用ビデオデッキの普及とエロビデオの登場によって壊滅的な打撃を受ける。1980年代半ばのことで、街角からエロ本自販機の姿が急速に消えていった。

 だが、エロは簡単には死なない。1980年代に物流の中心が鉄道からトラックに移行すると、地方の街道沿いに「オートスナック」「コインスナック」と呼ばれる無人の自販機ショップが出現し、長距離トラックドライバーのオアシスとなった。車を自分で洗うコイン洗車場も普及した。そうした場所にエロ本自販機が設置されたのだ。

 自販機専用の新刊はもう制作されていなかったので、主に「ゾッキ本」と呼ぶ、出版社が在庫を捨て値で放出した本が売られた。さらに、1970年代半ばから街道沿いに出現していた有人のアダルトショップの立地を追い掛けるように、エロ本自販機も進出した。

 その頃からエロ本自販機は簡易な小屋の中に置かれるようになり、1980年代後半から90年代にかけて無人のエロ本自販機小屋が日本全国に増殖していった。この第3のブームは2000年代前半まで続いた。

 だが、前世紀の末から行政の攻勢が強まり、エロ本自販機を規制する条例が次々と制定されていった。そして、さらに決定的な一撃がもたらされた。ネットの普及である。こうして弱体化した業界に、さらに行政が追い打ちを掛ける。エロ本自販機全撤去を宣言する自治体が相次いだのだ。その結果、今年の春現在、北海道、京都、兵庫、愛媛、沖縄などの1道1府11県では稼働中のエロ自販機は1台も確認できてない。

 当初はエロ本自販機への郷愁から探訪を始めたが、次第に今も残る自販機を巡る状況にも興味を抱くようになった。だが、同じ場所を再度訪れると、消滅したり、稼働していないことが多い。なくなって初めて価値に気付くというのはよくあることだが、エロ本自販機も同じである。だからカメラに収めることにしたのだ。

 この風景が少しでも長く現実のものとして存在し続けることを切に願う。

 ※週刊ポスト2017年6月2日号

NEWSポストセブン

 

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