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ABCが圧力?アカデミー授賞式、映画CM解禁のワケ

 番組自体が“ハリウッドのための最長のテレビコマーシャル”と揶揄する者もいるアカデミー賞授賞式のテレビ中継。それでも映画ファンは3時間にわたる長丁場にガマン強くつきあってきたわけだが、ついに来年2月22日放送の第81回授賞式中継から映画の予告CMが解禁されることになった。今月、アカデミーの主催者が50年来の規則改正を発表したのだ。

 この“おいしい”中継枠は長年、映画会社が狙っていたが、1953年の初中継以来、映画の宣伝はまかりならぬ−という規則に守られてきた。「受賞選考に不正がある」という誤解を視聴者に与えないためだ。

 今回の改正で解禁されるCMは、1つの映画スタジオにつき30秒、ないしは60秒の未公開予告編1本のみ。純粋な映画の宣伝に限られる。来年4月末以降に初公開の作品、つまりノミネート作品は宣伝できない規定で、ギリギリのモラルは保たれた格好だ。

 このCM解禁には、どうやら裏事情がありそうだ。

 今年の授賞式中継の視聴率は前年より20%も低い17.7%で、視聴者3200万人という史上最低を記録した。

 視聴率も影響したのか、長年のスポンサーで、経営難に喘ぐ米最大手の自動車メーカーGMは、来年の授賞式からの撤退を発表している。米国は金融機関の再編や株価暴落など経済危機のまっただ中。「CMセールスの激減を見越して、放映権のあるABCが、アカデミーに圧力をかけた」なんて噂も飛び交っている。

 これに対し、アカデミーの広報担当者は「GMの損失とは無関係。授賞式のスポットはよく売れる」と強気だ。セレブが華麗に集うハリウッド最大の授賞式は、スーパーボウルと並ぶ国民的イベント。バラエティー誌によると「さほど視聴率は重要でない」とも。

 ちなみに今年の授賞式の30秒スポットの料金は約1億8000万円。事情通によると、GMに代わり来年はヒュンダイがスポンサー候補に浮上しているらしい。

 アカデミー会長のシド・ゲインズ氏は「中継で入る6500万ドル(約66億円)は協会最大の財源。授賞式は映画産業への賛歌だから、予告編が流れても誰も文句はないはず」と決定を自画自賛している。(板垣眞理子)

ZAKZAK 2008/10/22