ファラ「末期がんの真実」900万人視聴者が釘付け
1970年代後半に日本でも一世を風靡した米ABC制作の人気TVドラマシリーズ「チャーリーズ・エンジェルズ」。中でも主役の1人、ファラ・フォーセットはセックス・シンボルとして名を馳せた。小麦色に焼けたスレンダーな肢体に、トレードマークのウェービィなブロンドヘア。クールなファラにあこがれたものだった。
そのファラも今年62歳。往年の美貌と色っぽさを残す彼女が、がんで命が危うい状況と聞きショックを受けた。ファンの心配に応えるかのように、今月15日に米NBCテレビで2時間のドキュメンタリー「ファラズ・ストーリー」が放送され、約900万人の視聴者を釘付けにした。
番組はビデオ日記の形式で、2006年に肛門がんと診断されたファラ自身のナレーションで進行する。UCLA病院で治療し、一時克服したかに見えたが再発。肝臓に転移し9個の悪性腫瘍が発見され、末期のステージ4と診断される。ファラは人工肛門手術を拒否し、米国では未認可の新しい治療法を求めてドイツに。以後1年半でドイツとロスを6度往復する。
病室で嘔吐するファラは「これが、がんというものよ」と、あえて撮影を続行させる。いつもそばにいて励ますのが、長年のパートナーで彼女の息子の父親でもある俳優のライアン・オニールだ。カメラは、ノーメークのファラが絶望と希望の間で疲れ果て、嘔吐し、キモセラピー(化学療法)のため毛が抜け、痛みに涙する姿を冷酷に追い続ける。何もそこまで…と思うが、女優の性(さが)なのだろう。
そんなファラが怒ったのはタブロイド紙が「がん再発」と報じた時だ。本人と医師しか知らない段階でのリークで、ファラは調査を要請し、UCLA病院の係員がコンピューターに何度もアクセスし、情報を売ったと判明。カリフォルニア州議会が問題視し、患者のプライバシー保護の強化法案を通過させたことは、ファラの功績といえる。
ビバリーヒルズでの番組試写には、ファラは弱りすぎて行くことができなかった。放送当日はライアンとテレビを見て、視聴率を気にして周りを笑わせていたそうだ。NBCでは第2弾を計画中とも。
奇跡を信じて闘うファラの姿は、同じ境遇の人々を励まし、われわれに末期がんの現実を教えてくれる。勇気ある女優としてその名が記憶される−それが、ファラ最後の望みなのだろうか。(板垣眞理子)
ZAKZAK 2009/5/27


