MENU

RANKING

モバZAKのご案内

iモード、EZweb、Yahoo!ケータイで大好評配信中

ぴいぷるホーム > ぴいぷる > 詳細

デュオ・プリマ

奏でる絆 (06/22)

 デュオ・プリマ 従姉妹同士の実力派ヴァイオリニスト、礒絵里子(いそ・えりこ)と神谷未穂(かみや・みほ)によるデュオ。ともに、神奈川県出身。桐朋学園大卒業。
 デュオ・プリマとしては2001年にデビュー。全国各地でリサイタルを開催。プラハ室内管、チェコフィル室内管、東京フィルなどと競演。「題名のない音楽会」(テレビ朝日)などテレビ出演も。
 アルバム「Traviata Fantasy」(コロムビア)では、山田武彦の編曲、ピアノとのトリオで、モーツァルト「魔笛」やヴェルディ「椿姫」などオペラをアレンジした小品ほか13曲を収録。
デュオ・プリマ
デュオ・プリマ

【ロシア流、ウィーン流と違っても最後は同じ】

 幼稚園から大学まで、ずーっと一緒の従姉妹同士は、息がぴったり。実家も鎌倉の近所。デュオを初めて組んで、親戚の前で演奏したのは、何と7歳のころだという。

 「だれに強制されるでもなく、自分たちがやりたいと思ったのが出発点です。今も楽器を通じて、会話するのは楽しい。心から楽しまないとお客さんに伝わらないですから」

 そう話す礒より、一つ年下の神谷がうなずく。

 「小さいときは、リカちゃん人形の取り合いなんかでケンカもしましたが、音楽に関しては一切、争ったことがない。お互い、おばあちゃんになって手が震えてビブラートになってもデュオを続けようねっ、て言い合っているんです」

 それぞれ、ソロのヴァイオリニストとしても活躍。デュオの方は子どもの頃から20年以上になる。

 ヴァイオリニストというと、過酷な修業や、コンクール入賞をめぐる激しいツバ迫り合いのイメージがある。さすがに、大人になってからは、ライバル心がメラメラ? など邪推したが、「それが、ぜんぜん、ないですねー」と2人は顔を見合わせて微笑む。

 大学卒業後は、礒がベルギーへ。神谷は、ドイツを経てフランスに留学している。

 礒が付いたのは、巨匠として知られる故ダヴィッド・オイストラフの息子イーゴリ氏。来日の際、礒の演奏を高く評価して日本人として初の生徒に迎えられた。

 「どちらかといえば、ロシアの出身らしく土臭い音色。そのすばらしさにひかれました」(礒)

 一方、コンクール入賞を機に留学した神谷は、ドイツで職人芸を。パリでは名手ジャン=ジャック・カントロフ氏から洗練された技を学んでいる。「伝統のウィーンのリズムなども大いに勉強になりました」(神谷)

 そんな2人が、デュオとして再会すると、どうなるのか。礒がいう。

 「曲を作り上げていくディスカッションがおもしろい。アプローチの仕方は、ロシア流、ウィーン流と違っても、最後は同じ答えになるんです。これは血がつながっているからですかね」

 絆を改めて確かめ合った。

【地方の子供たちと膝つき合わせ演奏】

 アーティスト活動とともに、2人が今、力を入れているのがクラシックのアウトリーチ活動。クラシックに触れる機会の少ない地方の子どもたちに、「手を差し伸べる(アウトリーチ)」文化活動のことだ。

 幼稚園から小学6年生まで、十数人という分校に行くこともある。

 「体育館ではなく、音楽教室で膝をつき合わせて、楽器を体験してもらったり。ピアノは身近でも、ヴァイオリンは初めてという子が目を輝かせて、おもしろがってくれます」(礒)

 「関西の学校で、ツィゴイネルワイゼンを演奏したら、前奏を聴いて、『吉本新喜劇で聴いたことある!』とワーッと盛り上がったこともあります」(神谷)

 さらに、10月7〜9日の連休には、みちのく仙台市内の4つの会場で、朝から晩まで101ものコンサートが楽しめる地元密着イベント「仙台クラシックフェスティバル」への登場も決まっている。

 「牛タンに新鮮な魚介類…それに日本酒。行く先の食べ物がおいしいと、音楽家にとっても気合が入りますよね」と2人。それは、聴く方にとっても同じだ。

ペン・中本裕己
カメラ・栗橋隆悦