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グッチ裕三

娯楽請負人(10/16)

 ぐっち・ゆうぞお 1952年2月27日生まれ、55歳。東京都出身。78年、コミックバンド「ビジーフォー」を結成。84年、「ものまね王座決定戦」出演を機にものまねタレントとして脚光を浴びる。98年、『グッチ裕三のこれは旨い!』(テレビ東京系)に出演し、料理ジャンルに進出。01年からNHK「きょうの料理」に出演。女性セブンのコラムのレシピを集めた料理本は400万部を突破し、タレント料理本の記録を更新中。
グッチ裕三

【「人を喜ばせるのが好き」】

 都内のキッチンスタジオ。「自分で選曲した」というソウル音楽に合わせて、エプロン姿でフライパンをふるう。

 取材に答えながらも料理の手は休めない。独身記者のため、冷蔵庫のあり合わせでできる特製チャーハンの作り方まで伝授してくれた。ものの5分で完成させたチャーハンは、ほの甘いダシ醤油の風味と黒コショウの隠し味が効いた優しい味。深酒後の胃袋によさそうな一品だった。

 「『娯楽請負人』とでもいうのかな。料理でもステージでも、とにかく人を喜ばせるのが好きなんだ」

 この日は「女性セブン」(小学館)に連載中の料理コラム用の写真撮影日。連載は8年目に入り、過去のベストレシピ163点をまとめた「グッチ裕三のうまいぞおザ☆ベスト」を先ごろ出版した。コンセプトは「ありきたりの食材で、特別な料理を」。独身、単身赴任の男たちにも打って付けのレシピが満載だ。

 「両親が共働きで、ほとんど祖母に育てられたんだ。でも、子供の口には合わない料理もあってね。で、冷蔵庫にある食材なんかを使って自分で作り始めたんだよ」

 GSブームに影響され、中学からバンドを結成。早くから音楽の道に入ったが、料理との出合いは音楽よりも早かった。

 「はじめて作ったのは焼うどん。バターとしょう油で味付けしただけなのに、びっくりするくらいうまかった。この味は今でも覚えているよ」

【結城先生から「あなたのが一番」】

 芸能界入り後も、ことあるごとに料理の腕はふるっていた。自信を深めたのは「夕食ばんざい」という番組への出演がきっかけだった。

 「そのとき作ったのは、いつも友人に振る舞っていた特製焼きそば。それを出演者の(料理研究家)結城貢先生がいたく気に入ってくれてね」

 番組出演後、結城氏から個人的に包丁が送られてきた。添えられた手紙には一言、「あなたの料理が一番うまかった」とあった。

 「『あれ、ひょっとして、これでイケるかも』と思ったね。あの手紙がなかったら、今の自分はなかった。だから先生には感謝してますよ」

【ポケットに貧欲さぎっしり】

 その後、単発でいくつかの料理番組に出演。手応えをつかみ、テレビ東京の帯番組で料理コーナーを担当。身近な食材で作る独創的な料理が好評を博す。

 「いつもそうだけど、人の(勧める)話に乗る方が人生うまくいく気がするね」

 いまも、ポケットの中にはレシピのメモがぎっしり。新しい味への貪欲(どんよく)さが「料理の腕を上げるコツ」という。

 「ある程度作れるようになると、どうしても同じものを作ってしまいがち。やっぱり人間、簡単な方に流されてしまうからね。でも、そこでチャレンジすることが大事なんだ」

 実は大変な努力家。だが、われわれが目にするのは、浮き沈みの激しい芸能界を鼻歌交じりにスイスイ泳ぐ姿だけ。愚直に水をかき続ける足は決して見せない。

 「努力家、マメって言われるのはイヤなんだ。試験前にすごく勉強しておいて『全然勉強してない』っていうのが理想だね」

 そう笑いながら、再びソウル音楽に合わせて鍋をふるい始めた。

ペン・安里洋輔
カメラ・奈須稔