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小倉智昭

忙中趣味あり(11/20)

 おぐら・ともあき 1947年5月25日生まれ、60歳。獨協大卒。東京12チャンネルで競馬中継の実況アナウンサーとして活躍後、大橋巨泉事務所(現オーケープロダクション)入りしてフリーに。文化放送「小倉智昭の時計の針はいま何時?」などのラジオパーソナリティーとして話術に磨きをかけた。99年からフジテレビ「とくダネ!」の司会をつとめる。
小倉智昭

【オーディオ、時計、カメラにゴルフ】

 これほど多趣味な人も珍しい。AV(アダルトビデオじゃありません。オーディオ・ビジュアルのこと)、時計、カメラ、ゴルフ、そして野球は西武ファン。鉄道模型やクルマにも興味はあるが、「趣味のためだけに仕事をするようにはなりたくない」ので、これ以上幅を広げないよう心にブレーキをかけているらしい。

 その分、AVへのこだわりは強い。東京都内の自宅と北海道の別荘、さらには都内の個人事務所にまで専用のAVルームをこしらえ、多忙の合間を縫って好きな音楽や映画を堪能しているそうだ。

 趣味に血道をあげるようになったのは、どうやら貧乏を味わった時代の反動らしい。29歳で東京12チャンネル(現・テレビ東京)を退社してフリーに転向したが、とにかく厳しい生活だった。

 「やりたいことって、先立つものがないとできないでしょ? でもスケジュール表は真っ白。本は借りて読んでいましたし、新聞も網棚にあるのを拾ったりとか、すごい生活でした。レコード、カメラ、しまいにはテレビまで、売れる物はみんな売っちゃいましたからねぇ」

 当時住んでいた5畳半のアパートでは「ゴキブリが友だち」。

 新築住宅のチラシをにらんで「いつかこんな豪邸に住んでやる」と思っても、仕事は一向に舞い込んでこなかった。

 が、転機は訪れるものだ。

 苦節8年、「世界まるごとHOWマッチ!!」のナレーションで、「顔を真っ赤にしながら」張り上げた甲高い声。これが、ある人物の耳にとまった。文化放送のディレクターで、現在の同社社長、三木明博氏である。

 「三木さんが周囲の反対を押し切って、僕を使ってくれたんですよ。文化放送では17年間ほど仕事をしましたが、人に話すための間合いの取り方や感性はラジオで養いました。それがテレビでも生きたのかなと思う。あの声が有名になって仕事が順調になったわけですから、大変ありがたい仕事でしたね、HOWマッチは」

【還暦迎え「仕事だけの人生もったいない」】

 ようやくフトコロ具合も上向き、「あこがれていた」アルテックA7という超大型スピーカーを中古で購入した。部屋の3分の1も占拠して思わずのけぞったが、それでも最高にうれしかった。

 趣味と仕事に没頭するうちに、気がついたら今年で60歳。なんと還暦を迎えていた。「最後の悪あがきですよ」と、昨年からさらに仕事の量を増やし、自らの限界を試している最中という。

 「まだ、もうちょっとやれると思いますけど、頭の回転や記憶力には衰えを感じますねえ。『とくダネ!』のオープニングトークで7分間ぐらいしゃべるでしょ? あれはその日の朝にネタを決めて、全部覚えるようにしているんです。でも最近、横文字の名前とか地名とか、何の脈絡もない数字とか、ちょっと覚えにくくなってきました。心配なので手元にメモ代わりの新聞記事を持ったりしていますが、実際には老眼で見えないですから。ハハハ」

 眼はともかく、声の迫力に衰えは感じられない。睡眠時間もずっと3時間が続く“パワフル還暦”だが、考えてみれば今の60歳って元気な人が多い。

 「そう、今は60歳過ぎてもまだまだ大丈夫です。でも、人生を仕事だけで終わるのはもったいない。僕と同世代の方々には、体力のあるうちに没頭できるものを探してほしいですね」

 その思いが形になったのが『お台場オトナPARK』。団塊世代をはじめとする中高年を対象に、第2の人生を楽しむための各種セミナーや趣味の紹介などを行うイベントで、小倉さんはその“総合プロデューサー”をつとめる。波瀾万丈の趣味人には、まさに適役。趣味の幅はセーブしても、仕事の幅は広がるばかりだ。

ペン・久保木善浩
カメラ・宮川浩和