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藤岡弘、

ヒーローは時代を越えて(12/18)

 ふじおか・ひろし、 俳優、武道家。1946年2月19日生まれ、62歳。愛媛県出身。65年、松竹映画でデビュー。71年「仮面ライダー」の主役・本郷猛役で一躍ヒーローに。映画は「日本沈没」「野獣死すべし」「大空のサムライ」など。松竹系で12月20日から公開の「トミカヒーロー レスキューフォース 爆裂MOVIE」では、ピンチを迎えたレスキューフォースの前に現れる謎の男・刑部零次役を演じる。柔道、空手、居合道、刀道、小太刀護身道などの有段者。ボランティア活動にも熱心に取り組んでいる。
藤岡弘、

【目指せ信頼できるガンコ親父】

 実写ヒーローものの“元祖”といえば、仮面ライダー1号のこの人をおいて他にいない。1号の時代は「悪者と戦い、倒す」というのが基本的な構図だったが、この人が映画出演したイマドキのヒーローもの「レスキューフォース」(テレビ東京系)は「災害の危機から人々を守り、救い出す」という設定。時代とともにヒーロー像も様変わりかと思いきや、底流に流れるものは同じなのだそうだ。

 「仮面ライダーは誘拐されて改造人間にされてしまう。これは現実に今の時代でも起きていることです。だから仮面ライダーは、改造される人を1人でも出さないようにとショッカーと戦ったんですよ」

 つまり、仮面ライダーは「人助け」をしていたのだ。この流れがいっそう強くなったのが現代だ、と優しくも力強いまなざしで訴える。

 「9・11の同時多発テロ以降、レスキューに対する注目は海外では際だっている。テロ以外にも天災、人災…とさまざま。子供もレスキューには興味と関心があるんです」

 もちろん、子供たちが興味を持つのはいまのヒーローたちだろうが、仮面ライダー世代としては、いい場面でこの人が出てくるとオオッと身を乗り出してしまう。

 「レスキューフォースを見てくれる子供の親は仮面ライダーで育った世代ですよね。親から子へとヒーローがつながっていく。自分からいうのも恥ずかしいんですが、かつてのヒーローもちゃんと存在しているんです」

 お父さんが子供の手を引っ張るぐらいの勢いで、家族みんなでこの映画を見てもらえればというのが希望。だが、最近の親子関係には首をかしげる部分もあるという。

 「子供にこびを売っている親が多い。本来、おやじは怖いんですよ。その一方で優しく守る母親がいる。それがいまはなくなりましたね。だからこの映画では『信頼できるガンコおやじ像』を目指したんです。子供に新しいおやじ像を見せられるのではないか、と」

【親から子へ受け継がれ】

 もうひとつ込められたメッセージがある。

 「世の中の人が、ただ自分の欲望だけを求めていたんでは困ってしまいますよね。世のため人のために役に立つという、いい影響を人に与えるのが俳優の責任であり、使命です。ヒーローは子供に影響力があるのですから、少しでも何らかの形で子供の役に立てればと思っています」

 レスキューフォースは命の大切さ、思いやりの心、地球環境の重要さを伝えるストーリーが持ち味。それだけに、「親が子供に見せたい番組」としても高い評価を得ているという。三つ子の魂百まで、といえそうだが、自身もこのことわざを地でいく体験をした。

【自身は鞍馬天狗で体験】

 子供のころ、「鞍馬天狗」を映画館で見た。悪者と苦しい戦いを強いられる鞍馬天狗だが、最後にはやっつける。それが痛快で忘れられなかった。そして仮面ライダーの役が回ってきた。

 「仮面ライダーは、鞍馬天狗の白馬が二輪車になっただけで(本質は)変わらないじゃないか、と思ったんです。子供の時の感動を思い出しましたよ」

 レスキューフォースでも同じ“既視感”を感じた。『負けるな、逃げるな、屈するな』は仮面ライダーの時からいつも口にしていた言葉。そのスピリットがレスキューフォースにも脈々として流れていると感じる。

 多くの痛みを背負いながら生きている、あきらめることなく前に進む勇気を持っている、という役柄を表現するため、右手の甲に傷跡をつけるというアイデアも考えた。「傷を見ると、あれは何だろうと興味を持てる。過去を想像させることができる。それを意識したんですよ。僕の俳優としてのノウハウなんです」

 仮面ライダーの時と同様、謎を残して、興味と関心を抱かせて、去っていく。次はどんな物語が待っているのか−。やっぱりヒーローにはいつもワクワクさせられる。