濱田マリ
毒吐くの、やめないよ〜(2/11)

【ゴミ屋敷に住む淫乱主婦】
「ゴミ屋敷に住む淫乱主婦で、副業が熟女モノAV女優。肌の露出も少々アリ。セックスレスになってぶち切れてしまったオンナの役をやりませんか」と言われたら…。並の女優ならビビってもおかしくないのに、「この役は絶対私がやる。他の人にやってほしくない!」と真っ先に思った。
そんなオイシイ役を他人に譲るなんてありえない、と話すのだ。だいたい、“欲しいリアクションベスト5”として「涙」「笑い」「拍手」「驚き」、そして「ひく」ことを挙げる人なのだ。ひくって? 「勘弁してよ〜、っていうこと」。
髪はぼさぼさ、目はうつろの、すごい汚れメークもある。まさに「ひいちゃう」映像。でも当の本人は「キレイになりたい、見せたいという邪念が取り払われた潔さというか、澄み切った気持ちが現れているので、とてもキレイですね」と涼しい顔なのだ。
公開中の映画「ララピポ」に登場する主婦・良枝役は間違いなく観客を驚かすはず。野太い声で「さっさと脱ぎな!」と言われたら、先立つモノも縮こまりそう。
【まさか脱ぐとは…】
振り返れば、この人には驚かされっぱなし。個性派音楽ユニット「モダンチョキチョキズ」や、ミニ情報番組「あしたまにあ〜な」で、アニメ声でまくし立てる超早口もそうだ。映画「血と骨」では、ビートたけし相手に壮絶な濡れ場。まさか脱ぐとは…。
「体当たり、ってところなんですが『こんなことしないで』って言われても『やめないよ〜』と思う。いろんな役ができるから楽しい。あんな超スパイシーな役はないです。大好物」
「常時、毒を放出している」が、その毒が強くなると、みんなを驚かせる作品につながる、という。芸能界には最初、音楽から入ったが、小学6年生のころは演劇クラブに所属していた。「そのころから、キレイとかカワイイは私の中では価値のあることではなく、面白い女の子が主役の台本を書いて、自分で演出・主演してケラケラ笑っていた。さすがに子供だから毒の効いた役は書けなかったけど」。筋金入りなのだ。
【見た人の心に“シャーッ”と痕跡刻みたい】
大人になっても、魅力を感じるのはやっぱり面白かったり変わっていたりする人の役。イメージするところは、あの伝説のテレビドラマ「ムー一族」でのぶっ飛んだ演技でお茶の間をくぎ付けにした樹木希林とか。なるほど。
「ストーリーの中に絶対に必要かどうかはさておき、見た人の心の中に“シャーッ”と爪で痕跡を残せるというか、刻み込めるというのがいいなぁ」。だが、クセのある役を受け止めるのは想像以上に大変で「役者って甘くねぇな〜」と思うこともしばしば。
昨年、51歳の会社員と再婚した。公私ともに順調、にみえるが−。
「情熱みたいなものはあまりないですから。夢を追いかける過程を楽しめるタイプじゃないので、軽く、実際につかめる夢を目標を掲げて、そこまで小走りで走っていってゲットして喜んで、また次に見えているのをゲットゲット! という感じですね」
大胆不敵な堅実派。この先もたくさん驚かせてくれるだろう。
■「ララピポ」
野心家の風俗スカウトマン、デブ専AV女優、風俗嬢に転身するデパガOL…。大都会の底辺を生きる6人の負け犬人生をアップテンポな音楽とともに描く群像劇。濱田の役はゴミ屋敷に住む淫乱主婦だが、「実際の私は掃除が一番好き。セックスレスになる前に手も打ちます」。
「ささいなことでクスッと笑うことが、大変だけれどとても重要だと伝えてくれる映画」と言う。
