ぴいぷる

【怒髪天 ボーカル・増子直純】顔はロック、心は演歌 既成概念なんて全部ぶっこわす!!

2010.03.31

 いま話題の“桃ラー現象”をご存じだろうか。桃屋から発売されたフライド・ガーリックがたっぷり入った「辛そうで辛くない少し辛いラー油」のブームのことで、購入客の殺到により、ついにスーパーの店頭から姿を消してしまったほどだ。

 そのCMに抜擢されていたのが、この人。「いきなりリーゼントの増子さんが、白飯にラー油をぶっかけて食べるインパクトにまいった!」。ロックファンたちはインターネットを通じて口コミで話題を広げた。

 デビュー25周年を迎えた昨年ごろからライブ会場にサラリーマンやOLが大挙するようになった。NHK「トップランナー」では“聴く蟹工船”と取り上げられた。

 「世の中を引っかき回してやろうというパンク・ロックの魂は、デビュー以来ずっと同じですよ。中学時代にパンクが出てきてスゲエな、と。(既成概念を)全部ぶっこわしてやりたい」

 今の政治にも、もちろん憤っている。

 「政治献金が問題になるけど、政治に金かかるのぐらい、みんな分かってるっしょ。『許してくれればオレ、日本のためにガッツリやるからよ』と最初に言ってくれりゃいいのに、それを秘書が…ってウソつくな! あなたの政治理念に賛同しました。お金使ってください−そんなワケないでしょ。キックバックがあるんだろうなと小学生でもわかる。必要悪で日本がよくなるんだったら、目をつぶりますよ。言い訳している時間がもったいない。みんなクビだ! それに、毎年総理が代わっている。毎年社長が変わる会社とだれが取引しますか。アホか、と」

 まともに音楽で食えだしたのは数年前から。アルバイトはもちろん、3年間バンド活動を休止して働いたこともあった。

 「仕事はいろいろやりましたよ。ミル・マスカラスが日本に来たころのリングアナもやったな。お金にならなかったけど、おもしろかった。レスラーたちがTシャツを自分で刷ってきてね。終わったらマスク脱いで売り場に立って、記念撮影にも応じる。バンドも基本は同じと思ったね」

 包丁の実演販売で全国のデパートを回ったこともあるという。

 「工事現場で働いているときに、その道何十年という師匠を紹介されてね。穴あき包丁を売るわけですが、どこの家にもあるものを買い替えさせてまで買ってもらうのって難しい。本当にいいもんじゃないと勧められないわけですよ。これも勉強になりましたね」

 そんな増子が歌うのは汗と涙がしみこんだR&E。リズム&ブルースならぬ、“リズム&演歌”である。

 「ジャパニーズR&Bが流行ったときに、薄っぺらいなと思って、これは当てこすってやろうと。黒人のおじいさんがウイスキーをぐっと飲んで、ギターをぺろんと弾いただけでブルースになる。日本人にとって同じように血の中にあるのは演歌・歌謡曲でしょう。みんな初めて買ったレコードは西城秀樹やピンク・レディーだったはず。俺はさとう宗幸だった。それをロックだからって隠さなきゃいけないというのはウソになる。北島三郎さん、吉幾三さんの歌は世界に誇れるもの。それでR&Eを名乗っている。ジャンルじゃなくて音楽へのアティチュード、姿勢ですよ」

 今年から“朝の怒号”と題した「日めくりメッセージ」をブログで発信し続けている。

 「目覚めてまず1勝!!」

 「まさに、痛勤電車」

 「イヤな上司は想定内」

 「ストレスフリーのま、いっか星人」

 「日々の苦みはビールの如し」

 「後悔 役立たず」

 「未曾有の大不況なのに お小遣い何億円 ありえねェ!」

 「頑張れなんて言われなくても 死ぬほど頑張っとるわい!!」

 ライブ会場がネクタイをゆるめたサラリーマンでいっぱいになるのが、よく分かるメッセージではないか。

プロフィール 増子直純(ますこ・なおずみ) 1966年4月23日生まれ。札幌市出身。84年にロックバンド「怒髪天(どはつてん)」を結成。88年から現メンバーのギター・上原子友康(42)、ベース・清水泰而(41)、ドラムス・坂詰克彦(43)とともに、ボーカルとして世の中に“喝”を入れ続ける。
怒髪天は最新シングル「ド真ん中節」に続き、3月3日アルバム「オトナマイト・ダンディー」を発売。4月17日、東京・日比谷野外音楽堂でライブを開くほか、5月から全国ツアーをスタートする。

 

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