ぴいぷる

【坂本昌行】サラリーマンの気持ちわかかるんです

2010.07.05

 上司の身代わりになり、一流企業をクビになる−。現実に起きそうなテーマの舞台「アリバイのない天使」(上演中)で、クビになるサラリーマンを演じる。

 「サラリーマンって大変ですよね。ほめてくれる人がいないでしょ。上からは、やって当たり前と思われる。その通りなんだけど、何を糧にして頑張るのか、が大事だと思います。ぼくは芸能界を1度離れたから、今、こうしてお仕事ができる幸せを糧にしています」

 高校生のとき、芸能界入りを決意。単調な生活から逃れようと自ら履歴書を書いた。

 「親の手前、学校を辞める理由として(芸能界入りを)考えました。いろいろな事務所や劇団へ送りましたよ。メンズノンノのモデルにも応募しました。不合格でしたけど」

 その中に、ジャニーズ事務所もあった。半年後、オーディションを受け、入所が決まった。

 「事務所に入ることがゴールだったから、目標が達成できて、最初は1カ月くらいレッスンに行かなかった。そしたら、ジャニー(喜多川社長)さんに『You、何やってんの! 来週、来なさい』と電話で言われて。行ったら、レッスンについていけない。悔しくて、自分の部屋からトイレへ行くときも、ターンの練習をしていました」

 熱心にレッスンへ通い、高校も卒業。ところが20歳を前にしたある日、心境の変化が訪れた。

 「成人を前に先が見えず、不安になったんです。一生、先輩のバックで頑張るためにいるわけじゃない。上を目指したいけど、その術も知らないし、道も分からない…。ある人に相談して事務所を辞め、旅行会社に勤めました。20歳を過ぎたときでした」

 生活の安定を求め、サラリーマンになった。満員電車に揺られて会社に向かい、タイムカードを押す。電話番やパソコンで資料を作る日々…。

 「会社主催の“ねるとんパーティー”のツアコンをしたこともあります。フリータイムになって別室にいたら、男性の参加者が『何とかしてください』と言ってきた。会場を見ると、男女とも分かれて話してる。ゲームも用意していなかったから、フルーツバスケットをやったんですが、盛り上がらなかったなぁ」

 「スキーツアーの出発前、雨がひどくて中止になったんです。『なんで中止なんだ』と言われ、天候不良で、と答えたら、『予測しとけ!』ってね。30分くらい、とにかく謝るだけでしたね」

 職場に居心地の悪さを感じ始めたころ、事務所の同期や後輩が活躍する姿をテレビで目にした。

 「もう一度戻りたい、と思ったんです。芸能界でやりたい、という気持ちに自分でも確信が持てた。それで同期の(国分)太一くんに『戻りたい、申し訳ないけど間に入ってくれないか』って連絡したら、二つ返事で引き受けてくれた。翌日、ジャニーさんから『You、お仕事があるからおいで』って電話をもらったんです」

 「『ふざけんなよ、芸能界はそんな甘いところじゃない』と言われる覚悟をしていたから、拍子抜けしました。最初のお仕事? 事務所の野球大会のキャッチャーでした(笑)。野球をやっていたのでね」

 勤めていた旅行会社に事情を話し、1年弱のサラリーマン生活に終止符を打った。

 「しばらく東山(紀之)先輩の付き人をしました。先輩は(アルコールを)よく注いでくださって、飲ませるのが上手。たくさん飲まされましたよ。うまい断り方? あったら教えてください。断れませんよ」

 サラリーマンの辛さを味わい、2度目の芸能界は下積みから始めた男が演じる「サラリーマン」は間違いなく、一味違うはずだ。

 ■プロフィール さかもと・まさゆき 1971年7月24日生まれ、38歳。東京都出身。アイドルグループ「V6」のリーダーで「20th Century」のリーダーでもある。88年、ジャニーズ事務所入り。その後退所するが再入所。95年、V6でデビュー。24歳3カ月でのデビューは同事務所の最年長記録。10月にはブロードウェー・ミュージカル「Pal Joey〜パル・ジョーイ」が控える。

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 都内で八百屋を営む両親からは「人に迷惑をかけるな」と育てられた。「すごく恐いおふくろに“もっと恐いのはお父さん”と言われて育ったから、中学、高校と、親父と口をきいたことがなかった」。デビュー後、その父を「飲みにいこう」と電話で誘い、実家の近所の居酒屋へ。「ビール、焼酎、ハイボールを飲んで、世間話をして、2軒行きました。親父はベロンベロンになったけど、うれしかったなぁ」

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 舞台「アリバイのない天使」(19日まで東京グローブ座、22−25日、大阪・サンケイホールブリーゼ)の公演前の会見では、元「モーニング娘。」の中澤裕子(37)との熱愛について、5月の製作会見のときと同様、「お友だちです」と答えた。

 ペン・栗原智恵子 カメラ・緑川真実

 

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