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【林原めぐみ】声命力、人が何と言っても「好きなものは好き 」

2010.11.29


林原めぐみ【拡大】

 《「新世紀エヴァンゲリオン」の綾波レイの声をはじめとするアニメ界のカリスマは、「イタコ声優」を自称する》

 演じるときの気持ちを他人に分かりやすく説明する言葉がなくて、“イタコ声優”と言っています。私は私としての意志があるけれど、キャラクターの意志に声帯と体を貸してしゃべってもらっている感じです。

 そのキャラクターが17歳なら、演じる前に、まず、どういう17年間を過ごしてきたかを考えます。ただ、イタコれるときと、イタコれないときがあります。

★“イタコ声優”

 たとえばエヴァンゲリオンのテレビシリーズでも、最初の何話かは手探りでした。

 綾波レイは、監督から「意志をのせないで」と言われましたが、ロボットではない。ただの棒読みではないんです。心のニュアンスに言葉が左右されず、抑揚で察してもらおう、というところがない。明らかに変わった存在でありながらも、生々しいキャラクターになっていきました。

 《若者の悩みに直言するラジオ番組のパーソナリティーは20年近い。1991年から続くラジオ番組「林原めぐみのHeartful Station」が11月27日に1000回を突破した》

 リスナーから寄せられるのは今も、メールよりハガキが中心です。そのほうが絶対いいです。人格が分かりますから。いつもくれる方の「こんばんは−」の文字で、元気なのか、ダメなのか、ハガキのもつオーラが伝えてくれます。

 若い子も、アラフォーも、大人になったから悩みがなくなるということはありません。

★悩み必ずある

 昔、万葉集を題材にしたラップの曲を歌ったことがあり、難を得ましたが非常に面白い仕上がりになった。そこに説かれている秘め事を見て、恋心ってなんて変わらないんだろうと思いました。

 根底にある本能のベースは変わらないけど、ケータイだとかメールだとか、自分の本当の気持ちに立ち返る前に、余計な横やり、惑わすものが増えたんです。みんなの意見が聞こえるから、チョイスができなくなる。

 だれかが、だれかを思ったとき、ふと電話がかかってくる。そんな小さな奇跡が生まれにくくなっていると思うんです。

 《アキバ系がすっかり市民権を得て、時代が『林原めぐみ』のマニアックな世界に追いついた。記者がそう言うと、彼女はマニアックという言葉に敏感に反応した》

 マニアックという言葉自体、世の中全般に使うことを恥ずべきです。アニメ、宝塚、電車、ジャニーズ、AKB48…それぞれに熱心なことをマニアックという言葉で表現する方がいますが、どこかしら否定的な空気、ニュアンスを含んでいると思います。

 ぼんやりと何となく、広く浅くを求めている人が最終的に流れ着く場所は、非常に不安定だと思いますね。老後になって急に生き甲斐といわれても…。それより、小さいころから、たとえ人が何と言おうと『好きなものは好き』と言える人のほうが楽しい人生になる。

★歌は天命です

 最近、大学を出て就職したけれど、「やりたい仕事じゃない」と悩む人がいます。でも、身近なことは全部自分で選んできているはず。親が選んだ学校だったとしても、それを自分が選んだからここにいる。30歳からでも40歳からでも、意識して選ぶようになれば、積み重ねの中で、人生のいいチョイスができると思います。

 たまたまアニメで歌う機会を得た私を応援してくれる人が元気になったり、一歩踏み出せたり、人生の何かのきっかけになれば本望です。天命と思ってやっています。(ペン・中本裕己 カメラ・松本健吾)

プロフィール 林原めぐみ(はやしばら・めぐみ) 1967年3月30日生まれ、43歳。東京都出身。声優としての代表作は綾波レイのほか、「それいけアンパンマン」のこむすびマン、「ポケットモンスター」のムサシ、「名探偵コナン」の灰原哀など多数。歌手活動ではオリコンチャートの常連で、今年7月には15枚目のアルバム「CHOICE」、パチンコになった「ヱヴァンゲリヲン〜始まりの福音〜」のイメージソング「集結の運命」を相次ぎリリース。11月21日には、「林原めぐみのHeartful Station 1000回プレミアムCD」を出した。6歳になる女の子の母として子育てにも格闘中。

 

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