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【秋本奈緒美】年下夫に殻破られ「子供は産めないかもしれない…」

2011.02.01


秋本奈緒美【拡大】

 卯年生まれの年女。しかも今年はデビュー30周年。華やかにお祝いしたいところだが、2日から東京・恵比寿のエコー劇場で始まる舞台「社長、絶体絶命ですっ!」の稽古に、年明けから忙殺された。

 歌あり笑いありのコメディーミュージカルで、亡くなった父の会社を継ぎ、業績悪化を食い止めるべく悪戦苦闘する2代目社長を演じる。この社長、自らの夢を封印して仕事一筋を貫いており、社員にも「夢なんて言葉を使うな」「もっと現実を見ろ」と手厳しい。そんな社長のもとに「愛のあるところにしか宿らない」というおかしな妖精が現れて…というファンタジーも満載のストーリーだ。

 「通し稽古の後、共演者たちが『なんか、いい話だな』って泣いてるんです。会社が乗っ取られそうになったりシビアな部分もありますが笑いもあって、最後にキュンとくる。やってるほうも見てるほうも嫌な気分にならない楽しい舞台です」

 19歳でジャズシンガーとしてデビュー。深夜番組「オールナイトフジ」の司会で人気に火がついたのは21歳の時。25歳で女優に転身して20年以上経つが、自分が女優だと言えるようになったのはようやく最近だという。

 「オールナイトフジは1年半だけだったんですが、私の中ではものすごく濃い時間だった。だからドラマに出始めたときは『すいません、バラエティー出身で』みたいな感じ。ちゃんとした役者の勉強もせずにきてしまったという思いは常にありました」

 克服するには、とにかく現場で学ぶしかない。「時間ですよ」の正月特番に出演したときは演出家の故久世光彦氏に厳しくも愛のある指導を受けた。

 「役の履歴書を書いてこいと言われました。たしかに、自分の中でその人(=役柄)のバックボーンを決めないと、にじみ出てくるものがない。うれしかったのは履歴書に書いた趣味が反映されて、その人の部屋のセットに将棋台が置いてあったこと。台本には書かれてないけど、それがあるからこのセリフが言えるという感じで、役が底辺からどんどん膨らんでくるんですね」

 「へたくそ!」「やめちまえ!」と何度言われてもへこたれない。サバサバとした性格で物事に前向きに突き進んでいく一方、若いころは落ち込んだり悩むのが好きな自分もいた。そんな性格が根本から変わったきっかけは人との出会い。なかでも、8年前に再婚した15歳年下の俳優、原田篤との出会いは大きかった。

 「前の結婚相手はお兄ちゃんみたいな人で、そんなに肩ひじ張らなくていいよと言われてたんですが、いまの主人にも、そんなにファイティングポーズをとらなくていいと言われました。でも、そうやって(肩ひじ張って振る舞って)ないと怖い時期もあったし、それがかっこいいとも思ってた」

 もともと物を持つのが嫌いで、結婚前に住んでいた1LDKは「男の人の部屋ですか?」といわれるくらいの荷物しかなかった。ところが原田は、物でも知識でも興味のあるものには何でも手を出して、たくさん持ちたがる。生活空間は原田の物でどんどん浸食されたが、それが他人と暮らすということなんだと分かった。「自分とは対照的な人間だからこそ殻が破られたんです」。

 それにしても、女40歳と男25歳の年の差婚に抵抗はなかったのか。

 「子供の話はかなりしましたね。産めないかもしれないし、先に私が死んじゃうかもしれない。でも、もし子供ができなかったとしてもそれはそれでいいと。先のことをいま考えてもわからないし、20年先のことを思い悩むぐらいなら、一緒にいないほうがいい。20年経ったら、その時に考えればいいし、その間の20年は一緒にいましょう、ということだったんですよ」

 13年間の一人暮らしはそれなりに気楽だったが、入籍して家族になったら精神的にも緩むことができた。「戦うって何? 疲れって何ですか? みたいな人になっちゃった」。ファイティングポーズをとらなくても戦える人になったのだ。(ペン・前田麻見 カメラ・桐山弘太)

プロフィール あきもと・なおみ 1963年1月13日、長野県松本市生まれ。48歳。82年にジャズ歌手としてデビュー。83年に深夜の生ワイド番組「オールナイトフジ」の初代司会者に抜擢され、後に女優に転じた。ドラマ「毛利元就」「ただいま満室」、映画「もうDEBUなんて言わせない」「アタシはジュース」「沈まぬ太陽」などに出演。90年、音楽プロデューサーの日向大介氏と離婚。2003年、俳優の原田篤と再婚。
 「50歳ぐらいになったら、また歌を本格的に始めたいなと思っていて、一昨年から勝手に歌手を始めました。昭和歌謡やニューミュージック、演歌、ジャズにシャンソンと何でもありで同世代の人に口ずさんでもらえるライブを女優仲間3人としています。今年は節目も重なってるし、新たな気持ちで歌もやっていきたいです」

 

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