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【市村正親】62歳がんばるお父さん!来春、2人目の子供誕生

2011.10.13


市村正親【拡大】

 いまや映画、ドラマと多彩なステージを渡り歩く熟練の舞台俳優が、12日スタートのBS朝日「王様の家」(毎週水曜午後10時)で、芸歴38年目初の連続ドラマ主演に挑む。私生活では来春、2人目の子供が生まれるが、今回の役柄は3人の子供を持つニュースキャスター。子供たちに厳しい頑固オヤジという役は自分の父親のイメージと重なったという。

 「厳格で怖かった父のイメージが強いですね。父は農家の7人兄弟の長男でしたが、家を継がずにいろいろなことを自分なりに見つけ、最終的に新聞(埼玉県の月刊ローカル紙「武州新報」)を創ったジャーナリスト。この役と似ていますよ」

 特に31歳の長男役との掛け合い場面では、父とのやり取りを思い出した。

 「僕が役者になりたいと言った時、この役が長男に言うのと同じような言葉を言われたんです。『お前みたいな三日坊主には役者なんか向かない!』ってね。僕が『三日坊主だからつとまるんだよ!』と言ったら『何だ、そのココロは』と。『役者ってのは同じ職業をずっとやるわけではない。今日が八百屋なら明日は医者と、職業が変わっていくんだ。だから三日坊主にはピッタシなんだよ』と言った覚えがあります」

 息子の精いっぱいの理屈にも、父は動じなかった。

 「『いい加減なことを言いやがって。お前なんかバカ殿しかできないよ』と言われ、当時はとても悔しかった。でも去年、徳川家康(舞台「ANJIN イングリッシュサムライ」)や豊臣秀吉(来年公開の映画『のぼうの城』)をやって、『どこがバカ殿なんだ!』と思ったね(笑)」

 してやったりの“ドヤ顔”が一転、3歳の愛息の話題になるとほころんだ。

 「僕は厳しい父親というより、遊び相手になればいいかなという感じ。何でもハイハイって子供の言うことを聞かない方がいい、と言われるけど、つい聞いちゃう」

 親になってからの著しい心境の変化を、目を細めながら語る。

 「自分のことより子供のこと、になりました。すっごい大きな愛をもらっている感じがする。それに成長の変化を本当にヒシヒシと感じるね。『アオアオ〜』から少し言葉になり、言葉がつながってきて、最近は『パパみたいになりたい』ってね。やることなすことが、こんなに幸せを与えてくれるのかと。『パパ嫌い、あっちへ行って』と言われてもうれしい。こんな宝物はないね」

 育児には大変なことも多いでしょう、と問うても、「大変って考え方はしない。うれしいって思うの。うんちは臭いもいいし、出て良かった!って思うよ」。

 ただ、もしも子供が同じ俳優業を望んでも「子役はやらせません」という。

 「思春期のいろいろな楽しみにしっかり触れ、学生生活をエンジョイしてほしい。子供のころから大人の中で仕事をさせると、何かを奪っちゃう気がする。むしろ楽しむ側でいろいろなモノを見せたいんですよ」

 女優の篠原涼子(38)との結婚生活は、この12月で丸6年。還暦を過ぎてますます精力的で順調な仕事ぶりは、家庭に寄るところが大きいよう。

 「月並みだけど、家庭でご飯を食べている時が一番幸せ。2人きりだったのが3人になり、子供に関する共同作業が増え、(来春に)また新しい家庭になるのか、と思うと楽しみ。やっぱり家庭ってのはいいなぁ」

 父親に一番必要なモノは「やっぱり愛じゃないかな」とも。こちらの“王様の家”はぬくもりにあふれている。

 (ペン・斉藤蓮 カメラ・栗橋隆悦)

 ■いちむら・まさちか 1949年1月28日、埼玉県生まれ、62歳。舞台芸術学院卒業後、俳優・西村晃の付き人を経て73年、劇団四季の「イエス・キリスト=スーパースター」で初舞台。翌年、正式入団。「エクウス」「オペラ座の怪人」などに主演し、看板俳優として活躍。90年に退団。その後も「ミス・サイゴン」(芸術祭賞ほか)「屋根の上のヴァイオリン弾き」「スウィーニー・トッド」など舞台を中心に活躍。その他の出演作にドラマ「JIN−仁−完結編−」、映画「十三人の刺客」など。2007年、紫綬褒章受賞。11月に「炎の人」(09年初演、紀伊国屋演劇賞などを受賞)を再演。私生活では05年12月に女優の篠原涼子と再婚し、08年5月に長男が誕生。

 

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