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【サンドウィッチマン】被災地への想い…磨き上げたコント師の技

2011.12.28


サンドウィッチマン 左から、伊達みきお、富澤たけし【拡大】

 コントのようで漫才、漫才のようでコントが持ち味。「エンタの神様」(日本テレビ系)でテレビ初出演、「M−1グランプリ2007」では敗者復活枠から優勝という離れ業。地道に実力を磨き、富澤たけしの瓢々としたボケを生かしながら一発ギャグに頼らないで人気を高めてきた。

 レギュラー番組もたくさん抱える。10月からはBSフジで5分間のミニ番組「東北魂TV」(毎週日曜午後11時55分)がスタートした。「やりたかったコントの番組。力が入りますね」と伊達みきおは言う。

 キャストは2人のほかに狩野英孝、マギー審司と宮城出身がそろった。富澤は「“宮城ビッグ3”と呼ぶんですよ。自分たちで言っているんですけど」と照れ笑い。

 コントは回を重ねるごとに面白さが増幅。5分間にスピーディーな展開、凝縮された笑いが詰まる。

 2012年はいきなり元日が放送日。年始にふさわしい爆笑トークで、おとそ気分をいっそう盛り上げるはずだ。

 2日、3日は「東北魂TV 2夜連続 新春コントSP」(午後11時)。2夜にわたる1時間の大型コントスペシャルだ。過去のコントのディレクターズカット版を一挙放送。スペシャルゲストに山形出身のウド鈴木と秋田出身の鳥居みゆきを迎え、新作コントも披露する。「みんな東北出身者だし、気心知れたメンバー」(伊達)、「正月らしい笑いも入っています」(富澤)。まさに初笑いのお年玉だ。

 コンビが遭遇した大震災。3月11日午後2時46分18秒、宮城県気仙沼市の海沿いでテレビ番組のロケ中だった。

 「撮影が終わってロケバスに乗ろうとした時ですね。大きい地震は経験していますが、こんなに激しい地震は初めてでした」(伊達)

 津波の恐れがあると「スタッフの指示でロケバスに乗って安波山の5合目まで逃げました」という。生々しさが伝わってくる。

 巨大津波が迫るなか、命からがら生還。被害の大きさを目の当たりにして「生きているボクたちが何かをやらなくては…」(富澤)と、義援金集めに奔走、チャリティーライブ「東北魂」も立ち上げた。

 「義援金口座名の『東北魂』は、昨年の単独ライブツアーで作ったグッズの名前なんです。このTシャツもね。いい言葉だし」(伊達)。集めた義援金は3億5000万円以上にもなるという。

 震災から9カ月たつが、伊達は「石巻の雄勝町(おがつちょう)はまだ手付かずの状態だった」と復興への道のりに心配の様子。長男が誕生して父親になった富澤も「親を失くした子供たちに何かをしてあげたい」と心を痛める。

 目まぐるしく過ぎた1年。それでも、笑いを届けるために単独ライブ「サンドウィッチマン ライブツアー2011〜新宿与太郎完結篇〜」を8月からスタート。東京を皮切りに全国6カ所12公演。仙台公演は超満員で「海沿いの方も来ていただき感激」(伊達)、「人生のなかで一番忙しい年かもしれない」(富澤)と振り返った。

 「東北魂TV」はDVD化も決定。“宮城ビッグ3”は新鮮な笑いを届けるユニットに成長した。伊達が「富澤は何でもできるなぁ」と話を振ると、「自分1人の負担はハンパないんでね」と返す。会話のひとつひとつにコント師の技が光る。

 番組は『東北出身者の笑いで被災地の人たち、日本を元気づけよう』と始まったが、伊達は「今度はコントをナマの舞台で見てもらいたい」とライブ構想をブチあげた。彼らの縦横無尽の面白さを見れば、日本列島はもっと元気になるはずだ。(ペン・高山和久 カメラ・高橋朋彦)

 ■だて・みきお 1974年9月5日、宮城県生まれ、37歳。絶妙な間(ま)から生まれるツッコミには定評がある。趣味は高校野球の予想と各地方のうまいもの巡り。仙台藩伊達家分家の末裔。

 ■とみざわ・たけし 1974年4月30日、宮城県生まれ、37歳。ネタ作りを担当。「他の芸人とかぶらず、分かりやすい」ネタを心がけている。“ネタ職人”と称される。

 

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