ぴいぷる

【今井翼】アイドルから俳優へ!ただいま脱皮中

2012.07.04

 「よろしくお願いします」

 舞台で鍛え上げた響き渡る声。一声聞くだけで、これぞプロの声だとわかる。思わず、「いい声ですね」と声をかけると、「ありがとうございます」。これもまた、いい声。

     ◇

 童謡詩人・金子みすゞの生涯を描くドラマ「金子みすゞ物語〜みんなちがって みんないい〜」(TBS系、7月9日午後9時)で、主人公・金子みすゞ(上戸彩)の実の弟を演じる。

 「石井ふく子プロデューサーに直接声をかけていただきました。うれしかった」

 その石井プロデューサー。

 「まず、声がいい。そして、目がきれいで美しい。清潔感の中に甘さもあり繊細。彼のステージを見て、弟役は彼しかいないと思いました」。その眼力に応えた迫真の演技が評判だ。

 時は大正時代。「実の姉と知らずに愛してしまう。今の時代では考えられません。でも、姉と弟が離れて暮らしていても引き付けられて関係が強くなる。運命はわかりませんね」

 思い出すのは、東日本大震災の時に流れた公共広告機構のCM。

 《「遊ぼう」っていうと「遊ぼう」っていう。「ばか」っていうと「ばか」っていう。(略)こだまでしょうか−》

 震災のとき、これでもかと流れた詩を、誰もが覚えた。

 「ぼくも、この詩は東日本大震災がきっかけで覚えました。みすゞさんは感性の豊かな方。詩の中に心の美しさが流れていますね。そのみすゞの弟役がぼくにくるとは想像もできなかった」

 みすゞ役の上戸彩については「女優としての魅力たっぷりの人。でも女優さんらしくない裏表のない人です」という。 

 2005年のNHK大河ドラマ「義経」で那須与一を演じて以来、7年ぶりのドラマ出演。「いままでは俳優業を密にやっていませんでしたからね。足りないことも多い。この作品に出演させていただき、表現者としても勉強しました。大きな財産をいただきましたね。この機会を生かして、もっと成長したいです」。謙虚な姿勢は最初から崩れない。

 02年9月、滝沢秀明と「タッキー&翼」を結成して10年が経過した。「山あり谷ありの10年でした。お互いをサポートして、これからも新しい活動にチャレンジしたい」と振り返る。

 その彼に大きな作品がまわってきたのは2年前。08年まで少年隊が主演していたジャニーズ事務所の伝統的なミュージカル「PLAYZONE」の主演という大役を引き継いだのだ。

 今年も7月9日から東京・青山劇場で1カ月開催される「PLAYZONE 2012」に主演する。ジャニーズJr.のころからリーダーとしてダンスをリードしてきた実力は折り紙つき。「東山(紀之)さんの作品を継承させていただき、光栄です」というが、「伝統の作品を継承するマインドは難しい」とも。プレッシャーは、いまも大きい。

 25歳の時からフラメンコを踊るため本場スペインで修業。現在はスペイン文化特使の重責も担う。

 「毎年3回ほど行きます。フラメンコの根底を自分の目で体験し、そこで蓄積したことをこれからの仕事に生かしていきたいと思っています。舞台は怖い。演じる人間がしっかり生きていないと舞台は成り立ちませんからね」

 目標を定め、マジメに努力する男。だが、インタビューも終わりのほうになって意外な言葉が飛び出した。「無頼派が好き」というのだ。

 汗臭い男の匂いがする原田芳雄、松田優作ら骨太の俳優を尊敬しているという。言われてみると、たしかに受け答えの言葉や態度に彼らと同じ匂いが漂う。芝居にかける想いも共通する。

 「チャンスがあればドラマもどんどん出たい。陰のある役がいいですね。今井翼とは思えない、とことん悪い人間を演じたい」

 アイドルを脱した、もう一人の今井翼がそこにいた。

 ■いまい・つばさ 1981年10月17日生まれ、30歳。神奈川県出身。独身。95年、ジャニーズJr.に入り、桜井翔(現在、嵐)と「翼翔組」のユニットを組む。2002年、滝沢秀明と「タッキー&翼」でデビュー。舞台を中心に活躍中。

 

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