ぴいぷる

【玉木宏】不遇を耐え、強く、優しく 水道を止められたことも…

2014.07.25


玉木宏【拡大】

 シリアスな役からコミカルな演技まで幅広く演じられる俳優。作品に挑むときは、「なぜ今、この作品が作られるか?」について考えるという。

 「作品には伝えたいテーマやメッセージがあるので、それをきちんと読み取り、表現することを大切にしています。見た人が元気になったらうれしいですし、作品を通して何か新しい価値観を投げかけることが、エンターテインメントの醍醐味ですしね。今回の映画では、今の混沌とした時代の中で、“耐えること”の大切さについても伝えています」

 その映画とは、26日公開の「幕末高校生」(李闘士男監督)だ。

 現代から幕末へとタイムスリップした高校教師(石原さとみ)と3人の高校生が、勝海舟(玉木宏)と出会い、未来を守るために奮闘する。海舟を演じるにあたり、心がけたことがある。

 「たくさんの俳優の方々が演じられてきた歴史上の偉人なので、新しいものを見せたいと思いました。凛としたイメージのある勝海舟ですが、この作品では、一見、頼りないタイプ。でも実は計算の上で、周りに心配させないために、悩んでいる姿を見せないようにしているんです」

 ロケは、京都・下鴨神社や西本願寺でも行われた。

 「京都での撮影は、気持ちが引き締まりました。歴史を知らない人でも入りやすい作品ですし、明るい気持ちになれるので、日常を忘れて見ていただきたいですね」

 16歳のときに現在の事務所にスカウトされた。もともと芸能界には興味があった。

 「中学生のときに、ドラマ『若者のすべて』(1994年、フジテレビ系)に夢中になった」という。萩原聖人、木村拓哉、深津絵里らが出演したドラマ史に残る青春群像劇だ。

 「当時は未来に対して悶々と考えていたこともあって、自分と照らし合わせながら見ていました。色々なことを考えるきっかけを与えてくれたドラマだったので、いつか誰かに良い影響を与えられるような仕事に就きたくて、俳優になりたいと思っていました」

 高校卒業後に上京。3年間はオーディションに落ち続け、アルバイトで生計を立てた。水道を止められたこともあったが、そんな環境を乗り切った経験は、今は彼の強みにもなっている。

 「もし役者としてダメになったら、もう一度バイトからやればいいという気持ちは、今でもありますね」

 やっとオーディションに受かり、2001年に映画「ウォーターボーイズ」に出演。俳優として、注目されるようになった。男子のシンクロナイズドスイミングが描かれた作品は練習もハンパではなかった。

 「合宿をしてから撮影に挑んだので、撮影が始まる頃には出演者とのチームワークがよくなっていました。年齢が近くて男しかいなかったので、色々な話ができたし、みんなで話し合いながら作品を作っていく大切さを学びました」

 演じるときに、大切にしていることがある。

 「役に対して愛情がないと演じられない。どんな犯罪者の役であっても、そういう行為をしてしまった背景というのはありますしね。人間が人間を演じるので、理解できない気持ちはないと思って演じています」

 もう1つ心がけているのが「普通でいること」だ。

 「芸能人ではなく、普通の感覚を持っていたい。電車もバスも普通に乗りますよ。サラリーマンを演じるときには、生活感があった方がいい。常に何かを経験していると生かせる仕事ですし、色々なことを経験していきたい」

 ならば、結婚も?

 「僕にも親がいるように、いつか僕も親になりたいという気持ちはあります。父親になったら父親役を演じるときに気持ちが分かりますし」

 自分自身を「誰かに必要とされると頑張るタイプ」だと分析する。

 「頼られるとしっかりしないとなぁと思いますね。逆に甘えるのは下手なのですが。自分が苦労した分、食事に困っている後輩がいるとごちそうしたくなります。甘やかしてはダメだと思いつつ、後輩には甘いです」

 不遇の時代を耐えた経験があるからこそ、強く、優しくなれるのだ。 (ペン・加藤弓子 カメラ・鴨川一也)

 ■たまき・ひろし 俳優。1980年1月14日生まれ、34歳。愛知県出身。98年に俳優デビュー。2003年NHK連続テレビ小説「こころ」で全国的に知名度を上げ、06年ドラマ「のだめカンタービレ」に出演、指揮者を目指す音大生役で人気者に。07年にはエランドール賞新人賞を受賞。俳優以外にもミュージシャンや写真家としても活躍。映画「神様はバリにいる」(14年公開予定)が控えている。

 

注目情報(PR)

産経デジタルサービス

産経アプリスタ

アプリやスマホの情報・レビューが満載。オススメアプリやiPhone・Androidの使いこなし術も楽しめます。

産経オンライン英会話

毎日25分からのオンライン英会話。スカイプを使った1対1のレッスンが月5980円です。《体験無料》

サイクリスト

ツール・ド・フランスから自転車通勤、ロードバイク試乗記まで、サイクリングのあらゆる楽しみを届けます。

ソナエ

自分らしく人生を仕上げる終活情報を提供。お墓のご相談には「産経ソナエ終活センター」が親身に対応します。