ぴいぷる

【左時枝】自己表現のための2本柱 映画やテレビが「動」なら油絵は「静」 (1/2ページ)

2015.01.21


左時枝【拡大】

 17年ほど前から絵を始め、今や素人の域をこえている。ギャラリーで自身の作品「蓮」の前に立っていただいた。

 「私の場合、花の絵が中心です。描いているときはもう夢中、没頭しますね。主人の市田喜一は美術デザイナーで版画家でもあるんですが、彼に花の絵を描いたらとすすめられたんです」

 すぐ上の姉が女子美術大学に通っていたことも影響している。

 「ラジオ番組に出たとき、その日にギャラを現金で10万円渡してくれたんです。このまま人参や大根に使いたくないなと思って、画材屋に直行して自分用の絵の具セットやキャンバスを買いました」

 長姉は今村昌平監督の『にっぽん昆虫記』などで一世を風靡した女優、左幸子である。芸能界に入ったのも姉の影響だ。父は古美術商、母は生け花の師匠だった。小学6年のとき、幸子から「映画に出られるかもしれないからすぐ東京にくるように」と電話があり、父につきそわれて上京した。

 「突然台本を渡されて、真っ暗なスタジオにつれていかれたんです。真ん中に荷車がひとつ。主演の望月優子さんと三國連太郎さんがいました。私は田舎の女の子の着物を着せられ、なにかしゃべれって」

 山本薩夫監督の『荷車の歌』だった。

 「農家の主婦が10円ずつ出しあって作られた映画なんです。信州のロケ先でオコタに入っていたとき、三國さんが白い桐の箱をもってきて、この箱に何が入ってると思う? と。私が分かりませんというと、三國さんが蓋をあけた。なんと入れ歯が入ってたんです!」

 歯が悪くて入れ歯にしたのではない。

 「あの映画で三國さんは3つの年代を演じるんですね。若いときは幼い歯、中年では立派な歯、老年になったらボロボロの歯。年によって演じわけられるように入れ歯にしたんです。役者ってそういうこともするのかって驚きました」

 映画の磁力に強くひきつけられた。高校を卒業するとき、俳優になりたいと姉(幸子)に相談するとこういわれた。

 「ほんとうに女優になりたいのなら劇団なんかダメ、体育大にいけって」

 高校3年になると東京オリンピックが開催され、日本中がオリンピックブームにわいた。早坂暁氏の脚本でハイジャンプの選手としてオリンピック出場をめざして頑張る少女役をやった。

 

産経デジタルサービス

産経アプリスタ

アプリやスマホの情報・レビューが満載。オススメアプリやiPhone・Androidの使いこなし術も楽しめます。

産経オンライン英会話

90%以上の受講生が継続。ISO認証取得で安心品質のマンツーマン英会話が毎日受講できて月5980円!《体験2回無料》

サイクリスト

ツール・ド・フランスから自転車通勤、ロードバイク試乗記まで、サイクリングのあらゆる楽しみを届けます。

ソナエ

自分らしく人生を仕上げる終活情報を提供。お墓のご相談には「産経ソナエ終活センター」が親身に対応します。