黒沢清、廣木隆一、山下敦弘…海外でも評価の高い監督たちの作品に次々と出演。正統派ヒロインから“ヨゴレ”役まで幅広く演じ続けて鍛えられたことで、アイドルグループ、AKB48を牽引(けんいん)した中心メンバーのイメージから脱皮し、個性に磨きをかけている。
「映画監督の方々は確実に刺激をくださいます。特に山下監督は(主演した)『もらとりあむタマ子』が『一番満足できる作品』と言って愛してくださっているので、とてもうれしい。4年前の作品ですが、いまだにその言葉が一番の糧になっています」
出演作は、オファーをもらうと事務所スタッフと相談し「かわいい役ばかりだとAKBを卒業した意味がない」(関係者)と個性的な作品には意欲的に挑むという。
3日公開の最新作「武曲 MUKOKU」は、剣道の凄腕ながら道を見失った男・研吾(綾野剛)が再び歩み出す姿を描く骨太なドラマ。鬼才、熊切和嘉監督の熱烈オファーを受けて研吾の恋人にふんし、酒浸りの彼に弄ばれながらも寄り添う場末感漂う役柄を好演している。
「男の人の気持ちは全部は読み取れないので、しんどいけど近くにいることしかできないなぁ、と思いながら演じました。もし研吾が恋人なら、耐えられないです。『いくつだよお前!』って言いたくなりますね」
ちなみに酒は「あまり飲めない」ため、落ち込んだ時などのリカバー方法は「人と話すこと」だ。